統合失調症患者死後脳の脳梁におけるスフィンゴ脂質代謝変化
「1. はじめに」統合失調症は生涯リスクが約1%の重度の精神疾患で, 幻覚, 妄想などの陽性症状, 情動の平板化や自閉などの陰性症状, および認知機能障害を特徴とする. 思春期から青年期の10代後半から30代に発症することが多く, 環境要因と遺伝的要因, およびそれらの複雑な相互作用によって引き起こされると考えられている. しかし未だ統合失調症の詳細な発症機序は解明されておらず, 十分な予防・治療法が確立されていない. 近年, 臨床研究の成果により, 統合失調症患者における脳白質容積の減少, 脂質やアミノ酸などの代謝物の変化の報告が蓄積されてきている. 我々は脳組織に豊富に含まれる脂質の中でも...
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Veröffentlicht in: | 脂質栄養学 2020/03/31, Vol.29(1), pp.7-14 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」統合失調症は生涯リスクが約1%の重度の精神疾患で, 幻覚, 妄想などの陽性症状, 情動の平板化や自閉などの陰性症状, および認知機能障害を特徴とする. 思春期から青年期の10代後半から30代に発症することが多く, 環境要因と遺伝的要因, およびそれらの複雑な相互作用によって引き起こされると考えられている. しかし未だ統合失調症の詳細な発症機序は解明されておらず, 十分な予防・治療法が確立されていない. 近年, 臨床研究の成果により, 統合失調症患者における脳白質容積の減少, 脂質やアミノ酸などの代謝物の変化の報告が蓄積されてきている. 我々は脳組織に豊富に含まれる脂質の中でも, アミノ酸セリンから合成されて神経機能に重要な役割を果たすスフィンゴ脂質の代謝に着目し, 統合失調症病態との関連の解明を目指す研究を行なってきた. |
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ISSN: | 1343-4594 1883-2237 |
DOI: | 10.4010/jln.29.7 |