P-21 地域在住一般住民における家庭血圧, 赤血球膜脂肪酸組成の関連

【目的】ω-3系脂肪酸の血圧への影響についての報告があるが, 未だ一定していない. その理由として随時血圧での血圧測定値は, 食事, 喫煙, 労働, 睡眠, 内服の有無, 測定時間など, 毎回様々な装飾を受けることも考えられる. そこで, われわれは今回, 地域在住高齢者に家庭血圧を測定し, 血圧と脂肪酸組成の関連について関連を検討した. 【方法】本研究の対象は島根県A地域(海岸部), B地域(山間部)の2地域で, 2007年9月に「物忘れと栄養, 脂肪酸分析に関する研究」検診に応募参加した地域在住一般住民102名のうち, 検診時随時血圧で135/85以上で, 家庭血圧を測定できた23名(男性...

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Veröffentlicht in:脂質栄養学 2008, Vol.17 (2), p.161-161
Hauptverfasser: 田原和美, 山下一也, 松本亥智江, 松岡文子, 橋本道男, 片倉賢紀, 加藤節司, 高田秀穂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】ω-3系脂肪酸の血圧への影響についての報告があるが, 未だ一定していない. その理由として随時血圧での血圧測定値は, 食事, 喫煙, 労働, 睡眠, 内服の有無, 測定時間など, 毎回様々な装飾を受けることも考えられる. そこで, われわれは今回, 地域在住高齢者に家庭血圧を測定し, 血圧と脂肪酸組成の関連について関連を検討した. 【方法】本研究の対象は島根県A地域(海岸部), B地域(山間部)の2地域で, 2007年9月に「物忘れと栄養, 脂肪酸分析に関する研究」検診に応募参加した地域在住一般住民102名のうち, 検診時随時血圧で135/85以上で, 家庭血圧を測定できた23名(男性13名, 女性10名, 平均年齢73.4才)である. 家庭血圧はオムロン社製のインテリセンス血圧計(HEM-759P, 上腕式オシロメトリック法)で, 起床時・就寝時に各1回, 5日間測定した. 本研究は, 島根県立大学短期大学部研究倫理審査委員会において研究の承認を受けて実施した. 脂肪酸分析は, 赤血球膜EPA, DPA, DHA, AA, n-6/n-3を測定した. 本研究は, 研究者が所属する倫理審査委員会において研究の承認を受けて実施した. 【結果】検診時随時血圧は赤血球膜脂肪酸との相関が認められなかったが, 起床時および就寝時収縮期血圧(SBP)とEPA(p<0.05), EPA/AA(p<0.01, p<0.01)は正相関, n-6/n-3(p<0.05, p<0.05)は負相関が認められた. 【考察】ω-3系脂肪酸を多く含む食品は, 血圧の低下を助ける可能性があることが最近報告された(Ueshima H, et al.hypertension, 50(2):313-9). すなわち, ω-3系脂肪酸の摂取量が最高レベルであった者は, 血圧が最低レベルにある傾向を示し, この傾向は, 高血圧でない人および, 血圧コントロールのための食事制限や薬物療法を受けていない人において, 特に顕著であるとこがわかってきた. われわれの結果でも, 起床時および就寝時SBPとEPA, EPA/AA, n-6/n-3に関連がみられ, このことを裏付けていると思われる. 【結論】地域在住高齢者において, 起床時および就寝時SBPと脂肪酸組成には関連があることが示唆された. すなわち, ω-3系脂肪酸を豊富に含む食品は, 血圧の低下を助ける可能性があると思われる.
ISSN:1343-4594