P-18 女子大生の心理状態及び視力に及ぼすDHAヨーグルト摂取の影響

【目的】魚介類の脂質に豊富に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)は, ヒトの脳神経系組織にも含まれ, その働きと密接に関係していることが知られている. また, 現在ではDHAを600mg以上含有するヨーグルトが市販されている. そこで, 前回は, 特別養護老人ホームの高齢者ボランティアによるDHAヨーグルトの6ヶ月間摂取試験を実施し, DHAヨーグルトの摂取は認知症の進行抑制及び改善に役立つ可能性を報告した. 今回は, 女子大生の心理状態や視力に及ぼすDHAヨーグルト摂取の影響について検討したので, その結果を報告する. 【方法】被験者の募集は女子栄養大学にて実施した. 魚油添加によるDHA含...

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Veröffentlicht in:脂質栄養学 2008, Vol.17 (2), p.158-158
Hauptverfasser: 鈴木平光, 西塔正孝, 樋口智之, ボインドグルン金花, 松沼ちなつ, 斎藤美香, 吉田亜由美, 白井展也, 田村豊, 川島勝, 高田秀穂
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】魚介類の脂質に豊富に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)は, ヒトの脳神経系組織にも含まれ, その働きと密接に関係していることが知られている. また, 現在ではDHAを600mg以上含有するヨーグルトが市販されている. そこで, 前回は, 特別養護老人ホームの高齢者ボランティアによるDHAヨーグルトの6ヶ月間摂取試験を実施し, DHAヨーグルトの摂取は認知症の進行抑制及び改善に役立つ可能性を報告した. 今回は, 女子大生の心理状態や視力に及ぼすDHAヨーグルト摂取の影響について検討したので, その結果を報告する. 【方法】被験者の募集は女子栄養大学にて実施した. 魚油添加によるDHA含有ヨーグルト(以下DHAヨーグルト)摂取群の学生(30名)には, 1日当たり100gのDHAヨーグルト(DHAを0.6g含有)を3ヶ月間与えた. また, プラセボ群の学生(31名)には, 魚油の代わりにサフラワー油を含むヨーグルトを同様に与えた. これらのヨーグルトは(株)ノーベルにて製造し, 女子栄養大学に供給された. 摂取前及び摂取後1, 2, 3ヶ月目にスーパークレペリン検査, 視力検査, 血圧測定, 血漿中の中性脂肪濃度, LDL及びHDLコレステロール値, γ-GTP, AST, ALTの測定を行った. なお, 本研究を実施するに当たり, 事前に, 女子栄養大学医学倫理委員会の承認を得, 被験者への説明を実施し, 同意書を得た後, 二重盲検法にて実施した. 【結果】スーパークレペリン検査の結果を解析したところ, DHAヨーグルト摂取群の学生では, プラセボヨーグルト摂取群の学生に比べ, 集中力の持続と関係する緊張度の因子得点が高い傾向を示した. 特に, 3ヶ月目では, 有意差(p<0.05)が認められた. しかし, 視力, 血圧, 血漿中の中性脂肪濃度, LDL及びHDLコレステロール値, γ-GTP, AST, ALTの値を両摂取群間で比較した結果では, 有意差が認められなかった. 【考察及び結論】上記DHAヨーグルトの摂取は, 女子大生の集中力の持続に役立つ可能性があると考えられる.
ISSN:1343-4594