P-17 ヒトの体重および胴囲等に及ぼす桑の葉含有食品摂取の影響

【目的】古くから, 桑の葉は漢方で用いられ, また, 桑茶としての利用も行われている. 最近では, 桑の葉にはグルコースと構造がよく似た1-DNJ(デオキシノジリマイシン)が含まれており, これがα-グルコシダーゼ活性を阻害することなどから, 食後血糖値の急激な上昇を抑制することが明らかにされている. さらに, このような生理作用から, 桑の葉の摂取はメタボリック症候群の予防にも有効性が期待されている. しかし, ヒトが桑の葉を摂取した時の影響についての詳細は不明である. そこで, 今回は, 桑の葉含有食品の体重及び胴囲等に及ぼす影響を検討したので, その結果を報告する. 【方法】桑の葉約10...

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Veröffentlicht in:脂質栄養学 2008, Vol.17 (2), p.157-157
Hauptverfasser: 鈴木平光, 西塔正孝, 樋口智之, 田中友紀江, 田野井正子, 根本麻貴, 細野剛, 高田秀穂
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】古くから, 桑の葉は漢方で用いられ, また, 桑茶としての利用も行われている. 最近では, 桑の葉にはグルコースと構造がよく似た1-DNJ(デオキシノジリマイシン)が含まれており, これがα-グルコシダーゼ活性を阻害することなどから, 食後血糖値の急激な上昇を抑制することが明らかにされている. さらに, このような生理作用から, 桑の葉の摂取はメタボリック症候群の予防にも有効性が期待されている. しかし, ヒトが桑の葉を摂取した時の影響についての詳細は不明である. そこで, 今回は, 桑の葉含有食品の体重及び胴囲等に及ぼす影響を検討したので, その結果を報告する. 【方法】桑の葉約10枚分の桑の葉エキス及び桑の葉粉末を1粒中に含む桑の葉含有食品(株式会社太田胃散)を試料として用いた. 被験者は, 朝, 昼, 夕食の前に, それぞれ3粒の試料を摂取した. 桑の葉含有食品摂取前, 1, 2, 3ヶ月後に体重, 腹囲, 血糖値, 血漿脂質濃度等の測定を行った. さらに, 試験終了直後に, 自覚症状に関するアンケート調査を行った. なお, 本研究を実施するに当たり, 事前に, 女子栄養大学医学倫理委員会の承認を得, 被験者への説明を実施し, 同意書を得た. 【結果】試験終了後のアンケート調査(68名から回答)では, 身体状況に変化が見られたと自覚した人は42.6%であり, その内容は便通の改善や体重の減少が主なものであった. そこで, 被験者74名(男性11名, 女性63名)の体重及び胴囲のデータを整理したところ, 3ヶ月間に体重が1kg以上減少した人は22名(29.7%)で, 胴囲が2cm以上減少した人は33名(44.6%)であった. 男性(平均年齢46.3歳)では, 体重及び胴囲の減少は共に3名(27.3%)で観察された. また, 21名の女性(25~76歳, 平均年齢48.6歳)では, 体重の減少が8名(38.1%)に, 胴囲の減少が12名(57.1%)に見られ, 42名の女子大生では, それぞれ11名(26.2%)及び18名(42.9%)に認められた. 【考察及び結論】桑の葉含有食品の摂取は, マイルドな体重や胴囲の減少を生じる可能性があり, メタボリック症候群の予防に有効であると思われる.
ISSN:1343-4594