ハンセン病の薬剤耐性と今後の課題:WHO・Global Leprosy Programmeによる薬剤耐性監視事業に関わってきた経験から

ハンセン病の化学療法はProminがハンセン病の治療に有効であることが1943年に明らかとなったことを嚆矢として, その後Dapsone, Rifampicin, Clofazimine, New quinolonesがハンセン病の治療に導入された. 1980年代よりWHOが推奨するmulti drug treatment(MDT)が始まり, 大きな治療効果が示された. その一方, 感染症における化学療法の歴史は多くの感染症で見られるように化学療法剤に対する耐性の出現と表裏一体の関係であり, ハンセン病においてもDapsoneが用いられ始めて早くも4年後に臨床的にDapsone耐性が疑われる症...

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Veröffentlicht in:日本ハンセン病学会雑誌 2018, Vol.87(2), pp.101-104
1. Verfasser: 松岡, 正典
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ハンセン病の化学療法はProminがハンセン病の治療に有効であることが1943年に明らかとなったことを嚆矢として, その後Dapsone, Rifampicin, Clofazimine, New quinolonesがハンセン病の治療に導入された. 1980年代よりWHOが推奨するmulti drug treatment(MDT)が始まり, 大きな治療効果が示された. その一方, 感染症における化学療法の歴史は多くの感染症で見られるように化学療法剤に対する耐性の出現と表裏一体の関係であり, ハンセン病においてもDapsoneが用いられ始めて早くも4年後に臨床的にDapsone耐性が疑われる症例が報告された. 1960年に開発されたmouse footpad法により, ようやく実験的に感受性検査が可能となり, Dapsone, Rifampicin, Ofloxacinに対する耐性らい菌が実験的に証明され報告された. 1970年にハンセン病治療に導入されたRifampicinに対する耐性例は1976年にrelapse患者から初めて検出され, 更に1989年にはDapsoneとRifampicinの両剤に対し耐性を示すらい菌感染例が報告された.
ISSN:1342-3681
1884-314X
DOI:10.5025/hansen.87.101