ハンセン病の基礎医学分野における日韓協力について

近年の日本におけるハンセン病新患の発見は, 著しく減少し, 2009年及び2010年の日本人からの新患発生は報告されていない. このような減少は韓国においても同様で, WHOへの報告に基づくと, 同国の新患は2006年15例, 2007年12例, 2008年7例, 2009年5例, 2010年6例と極めて少数の報告にとどまっている. このようなハンセン病の現状を反映し, 日本においてハンセン病に関する基礎研究を実施している研究機関, あるいは研究者は減少の一途をたどっており, 研究体制に関しては厳しい状況にある. また日本以外の国々においても同様の問題が生じている. 一方, 世界に目を向けると...

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Veröffentlicht in:日本ハンセン病学会雑誌 2012/09/01, Vol.81(3), pp.205-207
1. Verfasser: 松岡, 正典
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年の日本におけるハンセン病新患の発見は, 著しく減少し, 2009年及び2010年の日本人からの新患発生は報告されていない. このような減少は韓国においても同様で, WHOへの報告に基づくと, 同国の新患は2006年15例, 2007年12例, 2008年7例, 2009年5例, 2010年6例と極めて少数の報告にとどまっている. このようなハンセン病の現状を反映し, 日本においてハンセン病に関する基礎研究を実施している研究機関, あるいは研究者は減少の一途をたどっており, 研究体制に関しては厳しい状況にある. また日本以外の国々においても同様の問題が生じている. 一方, 世界に目を向けると, 未だ多くの患者の発生がみられる国々が多数あり, そこには科学的根拠に基づいた手段により解決されるべき多くの課題が残されている. 日本においてはハンセン病研究センターを中心として, 研究が行われており, 10余名の研究者がハンセン病に関する研究を継続している. あわせて, これまでに蓄積されてきた多くの知識と資源が維持されている.
ISSN:1342-3681
1884-314X
DOI:10.5025/hansen.81.205