WHO Global Leprosy Programme による薬剤耐性拠点監視事業における我々の役割

「ハンセン病の化学療法と薬剤耐性」今日の世界のハンセン病対策はWHOにより推進され1981年に始まった多剤併用療法(MDT)を基本としている1). MDTの治療効果は高く, 近年の世界のハンセン病有病率は顕著な減少を示している. しかしながら, 化学療法とそれに使用される抗生物質に対する耐性の出現は, 対象となる感染症の如何を問わず常に表裏一体の現象である. 事実, 1940年代にProminがハンセン病の治療に導入され, 更に1949年にDapsoneが使用され始めてほどなく, 再発症例あるいは難治症例でのDapsone耐性例が報告された2,3). その後Dapsone一次耐性の報告4),...

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Veröffentlicht in:日本ハンセン病学会雑誌 2011/09/01, Vol.80(3), pp.287-291
1. Verfasser: 松岡, 正典
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「ハンセン病の化学療法と薬剤耐性」今日の世界のハンセン病対策はWHOにより推進され1981年に始まった多剤併用療法(MDT)を基本としている1). MDTの治療効果は高く, 近年の世界のハンセン病有病率は顕著な減少を示している. しかしながら, 化学療法とそれに使用される抗生物質に対する耐性の出現は, 対象となる感染症の如何を問わず常に表裏一体の現象である. 事実, 1940年代にProminがハンセン病の治療に導入され, 更に1949年にDapsoneが使用され始めてほどなく, 再発症例あるいは難治症例でのDapsone耐性例が報告された2,3). その後Dapsone一次耐性の報告4), Rifampicinに対する耐性5), 多剤同時耐性の報告がされた5-8). WHOによるMDT後の再発例が少なからず報告されているが9), それらにおける薬剤耐性, とりわけ強い殺菌作用を有し, MDTの中核をなすRifampicinに対する耐性は, 今後のハンセン病の治療を危うくすることが懸念されている.
ISSN:1342-3681
1884-314X
DOI:10.5025/hansen.80.287