症例7:日系プラジル二世に発症したハンセン病の一例(ワークショップW-1)についての質問

症例:49才, 男性. プラジルで生まれ育った日系二世. 親族や知人にハンセン病患者なし. 現病歴:1992年より日本に在住. 2000年2月, 顔面, 躯幹, 四肢に, 知覚低下を伴う浸潤性紅斑が出現. 近医で抗ヒスタミン剤内服, ステロイド外用による治療を受けたが改善しなかった. 2000年4月当科受診. 初診時, 境界明瞭で知覚低下を伴う手拳大までの浸潤性紅斑を上記部位に認めた. 足底のしびれ感と躯幹の知覚異常もあったが, 神経幹の肥厚, 神経麻痺は認めず. 皮膚組織液の菌検査で少数の抗酸菌を認めた. 組織の抗酸菌染色は陰性. 真皮全層にわたって, 血管付属器周囲にリンパ球および組織球が...

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Veröffentlicht in:日本ハンセン病学会雑誌 2004, Vol.73 (1), p.72-72
Hauptverfasser: 杉浦久嗣, 田澤隆広, 山本尚子, 永田佳子, 上原正巳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:49才, 男性. プラジルで生まれ育った日系二世. 親族や知人にハンセン病患者なし. 現病歴:1992年より日本に在住. 2000年2月, 顔面, 躯幹, 四肢に, 知覚低下を伴う浸潤性紅斑が出現. 近医で抗ヒスタミン剤内服, ステロイド外用による治療を受けたが改善しなかった. 2000年4月当科受診. 初診時, 境界明瞭で知覚低下を伴う手拳大までの浸潤性紅斑を上記部位に認めた. 足底のしびれ感と躯幹の知覚異常もあったが, 神経幹の肥厚, 神経麻痺は認めず. 皮膚組織液の菌検査で少数の抗酸菌を認めた. 組織の抗酸菌染色は陰性. 真皮全層にわたって, 血管付属器周囲にリンパ球および組織球が密に浸潤し, 類上皮細胞肉芽腫形成を認めた. ハンセン病多菌型と診断した. WHOの方法により, 5月から外来でレボフロキサシン300mg, DDS75mg, リファンピシン450mgの内服を開始した. 開始後4ヶ月で皮疹, 知覚異常は著明に軽快. 2000年9月中旬より, リファンピシンは450mg月2回, それ以外の日は150mg内服に減量した. 治療終了の判断は学会の治療指針に従い, 2年間で治療を終了した. 終了時にはまだ紅斑があり, 生検で肉芽腫を認めた. その後6ヶ月を経過したころから, 徐々に紅斑が再燃した. 皮疹部や耳の菌検査は陰性. ステロイド外用で改善するが, 外用を止めると紅斑が増強する. 問題点: このままステロイド外用だけを続けてよいか. (討議) ステロイドの外用には疑問がある. 治りきっていないための再燃ではないか. 化学療法の再開を勧める. 化学療法とステロイドの併用も一法.
ISSN:1342-3681