ミャンマー国ハンセン病対策・基礎保健サービス改善プロジェクト

ハンセン病患者の長い不幸な歴史の中で, 世界の多くの保健関係者がその対策に努力を傾けてきた. 1991年5月, 第45回世界保健総会(WHA)で, 西暦2000年までに公衆衛生上の問題としてハンセン病を制圧することが宣言され1), 多剤療法(MDT)を主戦略として, 制圧を目的とする活動が急激に進展した. 1985年に人口1万対12だった世界のハンセン病有病率(Prevalence Rate:PR)が, 2000年末の時点で1. 0以下となり, 1985年にハンセン病が蔓延していた122国のうち, 107カ国が制圧レベルに到達したという. 従って, 現在, 世界のハンセン病は人口が100万人以...

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Veröffentlicht in:日本ハンセン病学会雑誌 2002, Vol.71(3), pp.201-210
Hauptverfasser: 疋田, 和生, 馬場, 洋子, 橋本, 千代子, 石田, 裕, 谷口, 世志子, 畑野, 研太郎, 長尾, 榮治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ハンセン病患者の長い不幸な歴史の中で, 世界の多くの保健関係者がその対策に努力を傾けてきた. 1991年5月, 第45回世界保健総会(WHA)で, 西暦2000年までに公衆衛生上の問題としてハンセン病を制圧することが宣言され1), 多剤療法(MDT)を主戦略として, 制圧を目的とする活動が急激に進展した. 1985年に人口1万対12だった世界のハンセン病有病率(Prevalence Rate:PR)が, 2000年末の時点で1. 0以下となり, 1985年にハンセン病が蔓延していた122国のうち, 107カ国が制圧レベルに到達したという. 従って, 現在, 世界のハンセン病は人口が100万人以上の国で, 15ヶ国のみが有病率10を越えるだけになった2). しかし, まだ, いくつかの国はWHOの基準に適合していない要注意国があり, 世界中でハンセン病が完全にコントロールされるためには, 今しばらく時間が必要かも知れない. 日本国際協力事業団(JICA)が2000年4月からハンセン病対策に技術援助活動を開始したミャンマー国(以下, 「ミ」国)は, 現在なおハンセン病の有病率が1. 0を越えている15ヶ国の内の一つである. 本プロジェクトは基礎保健サービス分野の強化を通じて, 「ミ」国のハンセン病対策を支援するために実施されており, 本稿を借りて, 「ミ」国の状況と本プロジェクトの活動について報告する.
ISSN:1342-3681
1884-314X
DOI:10.5025/hansen.71.201