痴呆症状を持った老人の看護

当病棟は平均年齢78. 8歳と高齢化してきている. 入室期間も長く, 視覚聴覚知覚障害に加え痴呆様症状の患者も増加している. 痴呆症状の援助にはスタッフ個々の洞察力とチームワークが不可欠である. カンファレンスや行動チェック表を活用して痴呆老人の生活サイクルを把握し, 行動の分析を行うことで一人の人格を尊重し, その人らしい生活を送っていただくような看護や介護の関わりができたので, ここに報告する. その人らしい生活をしてもらうための職員の関わりを統一する. (1)カンファレンスの実施. (2)行動チェック表の作成と活用. (3)生活環境の調整. I氏の行動は, 自分の居場所がわからない, 幻...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本ハンセン病学会雑誌 2002, Vol.71 (1), p.71-71
Hauptverfasser: 清野美穂子, 右田末美, 田村節子, スタッフ一同
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:当病棟は平均年齢78. 8歳と高齢化してきている. 入室期間も長く, 視覚聴覚知覚障害に加え痴呆様症状の患者も増加している. 痴呆症状の援助にはスタッフ個々の洞察力とチームワークが不可欠である. カンファレンスや行動チェック表を活用して痴呆老人の生活サイクルを把握し, 行動の分析を行うことで一人の人格を尊重し, その人らしい生活を送っていただくような看護や介護の関わりができたので, ここに報告する. その人らしい生活をしてもらうための職員の関わりを統一する. (1)カンファレンスの実施. (2)行動チェック表の作成と活用. (3)生活環境の調整. I氏の行動は, 自分の居場所がわからない, 幻視, 幻聴, 金銭への執着, 徘徊, 会話の食い違いなどが見られた. I氏に対してどのように関わったらいいのか検討を重ねた. まず, 安全事故防止に重点を置いたカンファレンスを頻回に実施した. 痴呆症状にとらわれ, 安全事故防止に重点を置いた関わりは行動を制限することになり, I氏を理解した看護介護ではないとの意見が出た. 行動チェック表を活用して睡眠時間排泄間隔など生活行動を理解することが, I氏を理解することにつながった. I氏のペースに合わせ話をよく聴き, 会話に時間をかけ納得され安心されるまで関わることで, 笑顔を見られ, 歌を歌われるようになった. 安全事故防止に重点を置いたカンファレンスを頻回に実施し, 行動チェック表を活用することで生活習慣, 行動パターンを把握できた. このことで, その人の生活習慣を尊重して納得安心した関わりができたことで, 安全事故防止につながった. 心理的満足は生活の拡大に結びつくと考える. (1)生活パターンを知る上で行動チェック表の活用は有効である. 知って関わることで患者が変化する. (精神的安定). (2)その人らしい生活が出来るためには看護介護を統一しなければならない. (3)対応時, 「急がせない, ゆっくり聞く, わかりやすく説明をする, 誘導は丁寧にする, 理解されたか否か確認する」ように努める. (4)無理強いせず, 本人の意思を噂重しながら関わる. (5)一つ一つの行動に対して否定せず見守り傾聴する.
ISSN:1342-3681