文献紹介 「固有受容性神経筋促通法が随意運動の開始や上肢筋の誘発電位に与える影響」

「Effects of proprioceptive neuromuscular facilitation on the initiation of voluntary movement and motor evoked potentials in upper limb muscles」Hum Mov Sci 21 : 101-113, 2002. Shimura K, et al. 本研究の目的は, 肢位の変化が運動の発現におよぼす影響を検討することで, 固有受容性神経筋促通法(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation: 以下, PNF)の有用性を調査することであった. 被検者は男性7名を対象とし, 開始肢位は端座位で, 基本肢位(上肢下垂位から肘関節を90°屈曲した肢位), およびPNF肢位(肩関節屈曲135°, 外転135°, 肘関節屈曲90°位)のそれぞれでの筋電図反応時間(以下, EMG-RT)および筋活動の順序を検討している. 検査は右上肢でおこない, 本研究用に用意したアームホルダーを使用し基本肢位, およびPNF肢位をとり, 三角筋, 上腕三頭筋, 腕携骨筋の筋活動を計測している. 計測は10試行を1セットとし, これを基本肢位, PNF肢位のそれぞれで6セットずつ実施した.