立脚相で股関節伸展による前方への体重移動が可能となり手支持を外した歩行の安定性が向上した右大腿骨頸部骨折の一症例

「はじめに」今回, 胸椎の屈曲変形を伴った右人工骨頭置換術後の症例に対し, 歩行動作の右立脚相で胸腰椎移行部の屈曲を制動しながら右股関節を伸展していくことに着目して理学療法をおこなった. 口頭での指示や徒手的な誘導により体幹を伸展して体幹伸展筋を収縮させることを試みたが, 胸腰椎移行部の伸展が生じずに胸椎が屈曲位のまま頭部が過伸展してしまった. そこで, 右手に把持したT字杖の先端を前方の目標点に到達させながら右下肢へ体重を移動していく練習を導入した. 理学療法をおこなった結果, 無意識的に体幹を伸展しながら右下肢へ体重を移動することが可能になり, 歩行動作の安定性が向上したので報告する. な...

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Veröffentlicht in:関西理学療法 2017, Vol.17, pp.127-131
Hauptverfasser: 佐野, 紘一, 飯田, 智也, 戎, 智史, 高橋, 優基, 伊藤, 正憲, 嘉戸, 直樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」今回, 胸椎の屈曲変形を伴った右人工骨頭置換術後の症例に対し, 歩行動作の右立脚相で胸腰椎移行部の屈曲を制動しながら右股関節を伸展していくことに着目して理学療法をおこなった. 口頭での指示や徒手的な誘導により体幹を伸展して体幹伸展筋を収縮させることを試みたが, 胸腰椎移行部の伸展が生じずに胸椎が屈曲位のまま頭部が過伸展してしまった. そこで, 右手に把持したT字杖の先端を前方の目標点に到達させながら右下肢へ体重を移動していく練習を導入した. 理学療法をおこなった結果, 無意識的に体幹を伸展しながら右下肢へ体重を移動することが可能になり, 歩行動作の安定性が向上したので報告する. なお本論文の作成については, 症例に趣旨を説明のうえ同意を得た.
ISSN:1346-9606
1349-9572
DOI:10.11354/jkpt.17.127