小脳外側部の圧迫によって視覚性記憶障害を呈した失調症患者の一症例
はじめに 理学療法士は, 基本動作改善のために姿勢制御に着目し, 理学療法を展開することがある. 姿勢と平衡機能に関する神経制御を説明するためには少なくとも2つの異なる概念が存在する. それは反射-階層理論とシステム理論である. 反射-階層理論1)とは姿勢と平衡機能は階層的に構成された反射系応答の結果であり, 独立の感覚系により起動されると言われている. システム理論1)は個体が運動課題と環境と交流することによって生じる活動であると考えられ, 空間にある自分の身体位置を制御する能力が筋骨格系と神経系の複雑な交流から生まれるものと考えられている(図1). 姿勢制御の運動課題には, 安定性と定位と...
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Veröffentlicht in: | 関西理学療法 2006, Vol.6, pp.69-75 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに 理学療法士は, 基本動作改善のために姿勢制御に着目し, 理学療法を展開することがある. 姿勢と平衡機能に関する神経制御を説明するためには少なくとも2つの異なる概念が存在する. それは反射-階層理論とシステム理論である. 反射-階層理論1)とは姿勢と平衡機能は階層的に構成された反射系応答の結果であり, 独立の感覚系により起動されると言われている. システム理論1)は個体が運動課題と環境と交流することによって生じる活動であると考えられ, 空間にある自分の身体位置を制御する能力が筋骨格系と神経系の複雑な交流から生まれるものと考えられている(図1). 姿勢制御の運動課題には, 安定性と定位という二重の目標に関して空間中の身体位置を制御することが含まれる. HorakとMacpherson 1)は身体定位について「運動課題に関与する複数の体節間同士の関係, および身体と環境との間の関係を適切に保持する能力」と定義している. 身体を鉛直に保持する過程において, 重力(前庭系), 身体保持面(体性感覚系), 身体と環境にある目標物との関係(視覚系)を含む多重の感覚基準を使用しているのである. |
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ISSN: | 1346-9606 1349-9572 |
DOI: | 10.11354/jkpt.6.69 |