生来健康な1歳児に発生したListeria monocytogenesによる細菌性髄膜炎の1例

「はじめに」 Haemophilus influenzae type b(Hib)ワクチン, 肺炎球菌ワクチンの定期接種により, わが国の2013年の5歳以下のHib, 肺炎球菌による細菌性髄膜炎はそれぞれ98%, 61%減少している. 米国でもHibワクチンおよび肺炎球菌ワクチン導入前後でそれぞれの髄膜炎は94%, 64%減少し, 細菌性髄膜炎全体の症例数で55%減少を認めている. しかし, 一旦罹患すればその死亡, 後遺症を残す割合は高く依然注意すべき疾患には変わりはない. Hib, 肺炎球菌以外の細菌性髄膜炎に注意すべき時代になっている. 生来健康な1歳7ヵ月児のリステリア髄膜炎の1例を...

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Veröffentlicht in:東京女子医科大学雑誌 2016-06, Vol.86 (3), p.105-108
Hauptverfasser: 小泉舞, 濱田洋通, 木村翔, 高梨潤一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 Haemophilus influenzae type b(Hib)ワクチン, 肺炎球菌ワクチンの定期接種により, わが国の2013年の5歳以下のHib, 肺炎球菌による細菌性髄膜炎はそれぞれ98%, 61%減少している. 米国でもHibワクチンおよび肺炎球菌ワクチン導入前後でそれぞれの髄膜炎は94%, 64%減少し, 細菌性髄膜炎全体の症例数で55%減少を認めている. しかし, 一旦罹患すればその死亡, 後遺症を残す割合は高く依然注意すべき疾患には変わりはない. Hib, 肺炎球菌以外の細菌性髄膜炎に注意すべき時代になっている. 生来健康な1歳7ヵ月児のリステリア髄膜炎の1例を報告する. リステリア感染症は新生児や免疫不全などのハイリスク児では鑑別に上がるものの発生率は100万人あたり0.65人とまれである. 既報では基礎疾患のない小児例の報告は散見され, 細菌性髄膜炎の絶対数が減少する中, 今後注意すべき疾患と思われる.
ISSN:0040-9022