6.潰瘍性大腸炎術後に発症したウェゲナー肉芽腫症を疑った1例

症例は61歳男性.潰瘍性大腸炎で内科に入院し,経過観察中にステロイドパルス療法をしたが軽快せず,大量下血した,手術療法目的で当科転科となり当日,結腸全摘術を施行した.術後経過良好で経口摂取,経過観察中であったが術後4日目より発熱が出現した.その後以前より認めていた左上肺野陰影が急速に拡大を認め,空洞形成が多発した.徐々に悪化する呼吸状態のため,術後20日目に人工換気下集中治療室管理となった.抗生剤反応は不良で,PR3-ANCA陽性でウェゲナー肉芽腫症を臨床的に疑い,ステロイドパルス療法・シクロホスファミドの併用療法を行った.その後,呼吸機能は改善され人工換気器を離脱した.また胸部陰影・空洞形成...

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Veröffentlicht in:東京女子医科大学雑誌 2007-02, Vol.77 (2), p.97-97
Hauptverfasser: 喜多村一孝, 板橋道朗, 小川真平, 廣澤知一郎, 番場嘉子, 橋本忠通, 浜野 孝, 亀岡信悟, 近藤光子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は61歳男性.潰瘍性大腸炎で内科に入院し,経過観察中にステロイドパルス療法をしたが軽快せず,大量下血した,手術療法目的で当科転科となり当日,結腸全摘術を施行した.術後経過良好で経口摂取,経過観察中であったが術後4日目より発熱が出現した.その後以前より認めていた左上肺野陰影が急速に拡大を認め,空洞形成が多発した.徐々に悪化する呼吸状態のため,術後20日目に人工換気下集中治療室管理となった.抗生剤反応は不良で,PR3-ANCA陽性でウェゲナー肉芽腫症を臨床的に疑い,ステロイドパルス療法・シクロホスファミドの併用療法を行った.その後,呼吸機能は改善され人工換気器を離脱した.また胸部陰影・空洞形成は急速に改善を認め,PR3-ANCAも陰転化した.今回われわれは,潰瘍性大腸炎術後経過観察中,ウェゲナー肉芽腫症を疑った報告例の少ない1例を経験した.若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0040-9022