骨粗鬆症性脊椎椎体骨折の新知見と治療法の進歩
高齢化社会を迎え, 骨粗鬆症への関心はますます高くなり, 診断, 治療などに新しい知見が報告されている. 特にビスホスホネートの出現により薬物療法は, 従来の治療とは全く別の考え方で行われるようになってきている. 本稿では, 最近の骨粗鬆症の考え方と骨粗鬆症性椎体骨折の新知見と治療法の進歩などについて述べる. [骨粗鬆症の定義と骨代謝マーカー] 骨粗鬆症の定義は, 1993年の香港でのConsensus Development Conferenceで提示された「骨粗鬆症とは低骨量と微細構造の劣化が特徴的で, その結果, 骨の脆弱性が増加し, 骨折が生じやすくなった全身性の骨疾患である. 」とい...
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Veröffentlicht in: | 東京女子医科大学雑誌 2005-09, Vol.75 (9), p.381-386 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 高齢化社会を迎え, 骨粗鬆症への関心はますます高くなり, 診断, 治療などに新しい知見が報告されている. 特にビスホスホネートの出現により薬物療法は, 従来の治療とは全く別の考え方で行われるようになってきている. 本稿では, 最近の骨粗鬆症の考え方と骨粗鬆症性椎体骨折の新知見と治療法の進歩などについて述べる. [骨粗鬆症の定義と骨代謝マーカー] 骨粗鬆症の定義は, 1993年の香港でのConsensus Development Conferenceで提示された「骨粗鬆症とは低骨量と微細構造の劣化が特徴的で, その結果, 骨の脆弱性が増加し, 骨折が生じやすくなった全身性の骨疾患である. 」という定義が一般的に受け入れられてきた. しかしこの定義は骨量のみ重視されており, その後に報告されてきた知見とは合わなくなってきた. そのため2000年のNIH Consensus Conferenceで「骨粗鬆症とは骨折を起こしやすくなるほど骨強度が低下した状態で, その骨強度は骨量のみならず骨質すなわち骨の微細構造, 骨代謝回転, 微小ダメージの蓄積, 石灰化の程度, 骨基質(コラーゲンなど)の状態に規定される. 」という従来の骨量だけでなく骨質も重視される定義に変更された. |
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ISSN: | 0040-9022 |