非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を基盤とした肝硬変の1例

症例は72歳女性. 既往歴は糖尿病, 高血圧で, 飲酒歴, 輸血歴はない. 70歳時に他院で原因不明の慢性肝炎と診断されたが放置した. 今回肝障害精査目的に当院を受診した. 肥満を認める以外身体所見に異常はない. 血液検査では肝胆道系酵素の上昇, アルブミン, 血小板の低下を認め, 肝炎ウイルスや自己抗体は陰性であった. 画像上, 肝は肝硬変の状態であった. 原因検索目的に肝生検を施行し, 病理組織でsteatohepatitisの所見であった. 本症例はNASHのrisk factorがあり, ウイルス性, アルコール性, 自己免疫性, 薬剤性, 代謝性の肝障害が否定でき, 肝組織でstea...

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Veröffentlicht in:東京女子医科大学雑誌 2004-04, Vol.74 (4), p.238-238
Hauptverfasser: 戸張真紀, 成冨里穂, 高倉美保子, 竹島美由紀, 小西洋之, 武雄康悦, 鈴木修司, 鈴木 衛, 谷合麻紀子, 橋本悦子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は72歳女性. 既往歴は糖尿病, 高血圧で, 飲酒歴, 輸血歴はない. 70歳時に他院で原因不明の慢性肝炎と診断されたが放置した. 今回肝障害精査目的に当院を受診した. 肥満を認める以外身体所見に異常はない. 血液検査では肝胆道系酵素の上昇, アルブミン, 血小板の低下を認め, 肝炎ウイルスや自己抗体は陰性であった. 画像上, 肝は肝硬変の状態であった. 原因検索目的に肝生検を施行し, 病理組織でsteatohepatitisの所見であった. 本症例はNASHのrisk factorがあり, ウイルス性, アルコール性, 自己免疫性, 薬剤性, 代謝性の肝障害が否定でき, 肝組織でsteatohepatitisの像であることからNASHの進行による肝硬変と診断した. NASHは増加傾向にあり, 肝硬変に進行する例もある. 肝硬変に進行する以前にNASHを診断し, 治療を開始する必要があると考え報告する.
ISSN:0040-9022