09 ヒト胚の培養にインキュベーター内加湿は必要ではない
【目的】 一般的に胚の培養に用いられているインキュベーターでは, 培養期間中の培地の水分蒸発を防止するために器内の湿度が飽和に近い条件で培養が行われている. 器内の加湿用滅菌精製水の維持・管理が必要となり, 高温多湿のため, カビなど微生物の繁殖という大きなリスクを伴っている. このリスクを低減するために, 国内全てのIVFラボでは, インキュベーター内の頻繁な清掃, 部品の滅菌処理などの煩雑かつ困難なカビ繁殖防止対策が日常的に実施されている. そもそも培地の水分蒸発は, 加湿しなくとも通常, 培地にミネラルオイルを重層することで防がれるはずである. 胚の培養を器内加湿せずにドライの状態で行う...
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Veröffentlicht in: | Journal of Mammalian Ova Research 2010, Vol.27 (2), p.S24-S24 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】 一般的に胚の培養に用いられているインキュベーターでは, 培養期間中の培地の水分蒸発を防止するために器内の湿度が飽和に近い条件で培養が行われている. 器内の加湿用滅菌精製水の維持・管理が必要となり, 高温多湿のため, カビなど微生物の繁殖という大きなリスクを伴っている. このリスクを低減するために, 国内全てのIVFラボでは, インキュベーター内の頻繁な清掃, 部品の滅菌処理などの煩雑かつ困難なカビ繁殖防止対策が日常的に実施されている. そもそも培地の水分蒸発は, 加湿しなくとも通常, 培地にミネラルオイルを重層することで防がれるはずである. 胚の培養を器内加湿せずにドライの状態で行うことができれば, これらの諸問題は解決する. 本研究では, 実験1:ミネラルオイルを重層する標準的な胚の培養法において, 加湿せずに培養を行った培地の水分蒸発の有無および程度を, また実験2:非加湿と加湿培養法では, 培養後の胚盤胞発生に影響があるのか否か, ウシ胚を用いて比較試験を行い, 非加湿培養法のヒト胚培養への応用の可能性を検討した. |
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ISSN: | 1341-7738 |