01 ARTによる累積妊娠率の検討
【目的】本邦における体外受精・胚移植(in vitro fertilization-embryo transfer;IVF-ET)あるいは卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection;ICSI)-ETによる生殖補助医療(assisted reproductive technology;ART)の普及と妊娠率の向上は, 一般不妊治療では難治性のカップルの多くに福音をもたらせてきた. ところでARTが最適の治療であるがため, 多胎妊娠の発生予防に選択的1個胚移植と余剰胚の凍結保存を推奨すべきカップルが存在する一方で, ARTの反復治療によっても妊娠不成立の...
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Veröffentlicht in: | Journal of Mammalian Ova Research 2009, Vol.26 (2), p.145-145 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】本邦における体外受精・胚移植(in vitro fertilization-embryo transfer;IVF-ET)あるいは卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection;ICSI)-ETによる生殖補助医療(assisted reproductive technology;ART)の普及と妊娠率の向上は, 一般不妊治療では難治性のカップルの多くに福音をもたらせてきた. ところでARTが最適の治療であるがため, 多胎妊娠の発生予防に選択的1個胚移植と余剰胚の凍結保存を推奨すべきカップルが存在する一方で, ARTの反復治療によっても妊娠不成立のカップルが存在し, 後者に対する対応にはたいへん苦慮する. すなわち症例毎にARTの限界をどのように予想し, 納得のいく情報をいかに与えうるかが求められている. そこで今回我々は, 当科におけるARTによる累積妊娠率を検討したので報告する. 【対象と方法】2000年1月から2007年12月までに当科で新鮮射出精子を用いてIVF-ETあるいはICSI-ETを施行した356症例, 679周期を対象に, 臨床的妊娠に至るまでの累積妊娠率を検討した. 【結果】初回ART治療により, 23.6%に臨床的妊娠が成立した. 以後の累積妊娠率は, ART2回目で23.9%, 3回目で33.1%, 4回目で38.4%, 5回目で41.2%, 6回目で42.1%, 7回目で42.1%, 8回目で42.4%であった. 【結論】今回のデータを見る限り, ART5回目の採卵周期で累積妊娠率が40%を超えた以後に, ARTにより妊娠成立を期待することは極めて困難と言える. 今後は患者年齢, ART適応, 媒精法(IVFかICSIか)別に累積妊娠率を検討し, ART反復不成功症例に対する対応の一助としたい. またARTによる累積妊娠率の検討法としてlife table analysisを採用し, より正確な評価を目指していきたい. |
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ISSN: | 1341-7738 |