加齢による嚢胞形成と線維化

「1 .はじめに」嚢胞とは体内の軟組織内において病的に生じた袋状の病変であり, 肝臓や腎臓を始めとして様々な臓器に生じる. 上皮や結合組織を中心とした外壁部の内部には, 細胞間液や血液などの液体物が貯留している. 嚢胞を大別すると, 先天的に生じ加齢とともに増大するものと, 外傷や感染によって生じる後天的なものに分類される. 本誌上シンポジウム総説では主に肝臓内に生じる肝嚢胞と線維化の関係について論じる. なお本年会シンポジウム内で紹介した内容の多くは本総説執筆時点で未発表であり, 紹介できない旨ご容赦頂きたい. 「2. 肝嚢胞の分類と原因」肝嚢胞は肝臓内に生じる袋状の腫瘤であり, 超音波検査...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2024/04/01, Vol.144(4), pp.397-402
Hauptverfasser: 土屋, 勇一, 関, 崇生, 中野, 裕康, 田中, 稔, 髙橋, 良哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1 .はじめに」嚢胞とは体内の軟組織内において病的に生じた袋状の病変であり, 肝臓や腎臓を始めとして様々な臓器に生じる. 上皮や結合組織を中心とした外壁部の内部には, 細胞間液や血液などの液体物が貯留している. 嚢胞を大別すると, 先天的に生じ加齢とともに増大するものと, 外傷や感染によって生じる後天的なものに分類される. 本誌上シンポジウム総説では主に肝臓内に生じる肝嚢胞と線維化の関係について論じる. なお本年会シンポジウム内で紹介した内容の多くは本総説執筆時点で未発表であり, 紹介できない旨ご容赦頂きたい. 「2. 肝嚢胞の分類と原因」肝嚢胞は肝臓内に生じる袋状の腫瘤であり, 超音波検査やcomputed tomography (CT) 検査の普及によって, 高齢女性を中心に発見例が増加している. 肝嚢胞の大半は孤発性であり, 小さい場合は自覚症状を伴わない. そのため通常は治療を行わず経過観察を行う場合が多い.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.23-00165-2