メチル水銀の解毒代謝におけるグルタチオンと超硫黄の異なる役割
かつて水俣病の原因物質として特定されたメチル水銀は, 公害病としてその危険性が広く認識され, 現在ではその環境排泄が規定されている. 2017年から発効された水俣条約は, 水銀及び水銀を使用した製品の製造と輸出入を規制する国際条約とし, 今後人為的な水銀による環境汚染を大きく抑制すると期待される. しかし, 環境中に存在する天然の無機水銀が, 水環境中の微生物によるメチル化代謝を受けることで, 自然にメチル水銀が生成し, 環境中を循環することも知られている. メチル水銀は環境中で生物濃縮を受けることが知られており, これにより食物連鎖の上位の魚介類に蓄積する. そのため, 例えばマグロ等の海産...
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2024/01/01, Vol.144(1), pp.41-45 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | かつて水俣病の原因物質として特定されたメチル水銀は, 公害病としてその危険性が広く認識され, 現在ではその環境排泄が規定されている. 2017年から発効された水俣条約は, 水銀及び水銀を使用した製品の製造と輸出入を規制する国際条約とし, 今後人為的な水銀による環境汚染を大きく抑制すると期待される. しかし, 環境中に存在する天然の無機水銀が, 水環境中の微生物によるメチル化代謝を受けることで, 自然にメチル水銀が生成し, 環境中を循環することも知られている. メチル水銀は環境中で生物濃縮を受けることが知られており, これにより食物連鎖の上位の魚介類に蓄積する. そのため, 例えばマグロ等の海産物にはメチル水銀が約0.5ppm(mg/kg)含まれており, 現在でもわれわれは食事を通してメチル水銀に曝露されている. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.23-00162-1 |