薬物の経粘膜吸収制御と吸収予測

「1. はじめに」生体に投与された薬物が消化管, 肺, 鼻腔などの粘膜組織から全身循環へと到達するまでには薬物の溶解, 粘液層の拡散, 生体膜透過の過程が含まれており, 薬物及び薬物搭載粒子の粘液層における拡散性や生体膜透過性をコントロールすることで薬物動態を制御するアプローチをmucosal drug delivery system (mDDS) と呼ぶ. 粘液層における薬物搭載粒子の拡散性はそのサイズや表面電荷, 粘液成分mucinとの水素結合やジスルフィド結合形成能などの影響を受けることが知られており, 粘膜透過性ナノ粒子 (mucopenetrating nanoparticles :...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2023-04, Vol.143 (4), p.349-352
Hauptverfasser: 山田幸平a, 上林敦a, b, 佐藤秀行a, 尾上誠良a
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」生体に投与された薬物が消化管, 肺, 鼻腔などの粘膜組織から全身循環へと到達するまでには薬物の溶解, 粘液層の拡散, 生体膜透過の過程が含まれており, 薬物及び薬物搭載粒子の粘液層における拡散性や生体膜透過性をコントロールすることで薬物動態を制御するアプローチをmucosal drug delivery system (mDDS) と呼ぶ. 粘液層における薬物搭載粒子の拡散性はそのサイズや表面電荷, 粘液成分mucinとの水素結合やジスルフィド結合形成能などの影響を受けることが知られており, 粘膜透過性ナノ粒子 (mucopenetrating nanoparticles : MPP) 化による経粘膜吸収の促進や粘膜付着性ナノ粒子 (mucoadhesive nanoparticles : MAP) 化による薬物の粘膜滞留性向上が報告されている.
ISSN:0031-6903