薬学部の研究論文生産性に関する計量書誌学的分析

「緒言」2000年代に入り, 主要国の中では日本のみで, 自然科学分野の学術論文発表数が停滞あるいは減少していることが頻繁に議論されるようになった. 国内の薬学部に特化してみたとき, 学術論文の発表数は現在どのような状況となっているだろうか. 2000年代は, ちょうど薬学部においては, 6年制制度への移行や私立大の学部新設が急増した変革期に重なる. 例えば2002年まで長らく一定であった薬学部数は, 2003年から2008年までに, 28学部の急増を見せた. この学部数増加と符号するように, 学部学生総定員は直近20年間でほぼ1.5倍に, 教員数も2000人程度の漸増を見せている. 2018...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2023/03/01, Vol.143(3), pp.317-321
Hauptverfasser: 本多, 玲, 松原, 佑樹, 窪田, 剛志, 今野, 裕史, 桐野, 豊, 岸本, 泰司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」2000年代に入り, 主要国の中では日本のみで, 自然科学分野の学術論文発表数が停滞あるいは減少していることが頻繁に議論されるようになった. 国内の薬学部に特化してみたとき, 学術論文の発表数は現在どのような状況となっているだろうか. 2000年代は, ちょうど薬学部においては, 6年制制度への移行や私立大の学部新設が急増した変革期に重なる. 例えば2002年まで長らく一定であった薬学部数は, 2003年から2008年までに, 28学部の急増を見せた. この学部数増加と符号するように, 学部学生総定員は直近20年間でほぼ1.5倍に, 教員数も2000人程度の漸増を見せている. 2018年度から再び新設の動きも生まれ, 定員数の抑制や新設薬学部の原則不認可に関する議論も高まっている. この転換期においては当初より「教育」の質に対する懸念があり, 近年では実際に薬剤師国家試験対策への偏重や国試のストレート合格率の低さ等の問題が顕在化している.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.22-00149