がん専門病院での研修を生かして,薬局薬剤師が実践する患者安全管理

「1. はじめに」日本の悪性新生物による死亡数は年間約38万人であり, 日本の死因の第一位である. 一生のうちにがんと診断される確率は男性65.0%, 女性50.2%であり, 2人に1人が生涯でがんになるといえる. がん治療では標準療法として薬物療法が行われている. 近年入院が必要な点滴治療から, 外来で行われる点滴治療, 点滴治療と経口抗がん薬を組み合わせた治療, 経口抗がん薬のみによる治療など外来で行う治療に変化している. 厚生労働省発表の「令和2年社会医療診療行為別統計の概況」では, 院外処方箋の発行率は77.3%, 「新生物(腫瘍)」における院外処方箋の発行率は79.4%とされ, がん...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2023/03/01, Vol.143(3), pp.223-228
Hauptverfasser: 辻, 将成, 月岡, 良太, 大石, 美也
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」日本の悪性新生物による死亡数は年間約38万人であり, 日本の死因の第一位である. 一生のうちにがんと診断される確率は男性65.0%, 女性50.2%であり, 2人に1人が生涯でがんになるといえる. がん治療では標準療法として薬物療法が行われている. 近年入院が必要な点滴治療から, 外来で行われる点滴治療, 点滴治療と経口抗がん薬を組み合わせた治療, 経口抗がん薬のみによる治療など外来で行う治療に変化している. 厚生労働省発表の「令和2年社会医療診療行為別統計の概況」では, 院外処方箋の発行率は77.3%, 「新生物(腫瘍)」における院外処方箋の発行率は79.4%とされ, がん薬物治療は病院等の医療機関のみならず, 保険薬局及び薬局薬剤師の役割も重要である. また, 病院薬剤師が薬局薬剤師に対して期待する経口抗がん薬に係わる業務として, 外来患者の経口抗がん薬の服薬状況や副作用のモニタリングがある.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.22-00160-3