新規複素環構築法の開発を基盤とする高難度アルカロイドの全合成研究

「1. はじめに」複素環化合物はヘテロ原子の種類や環構造(員数, 縮環様式, 酸化度など), 置換基に応じた多彩な構造を有し, 低分子医薬リードの設計と合成におけるテンプレートとして創薬研究で重宝される. しかし, 既に探索し尽くされた低分子医薬リードに代わり, 複雑に官能基化された複素環骨格とそれらを含む高難度アルカロイドの需要が急速に高まる近年, 単純な複素環化合物を標的とした既存法では, その供給に対応できないことが問題となっている. ところで, インドールは, 400種以上に及ぶ医薬品に含まれる含窒素芳香属複素環であり, また強力な生物活性を示すアルカロイドによくみられる. そこで,...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2022/02/01, Vol.142(2), pp.91-100
1. Verfasser: 坂田, 樹理
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」複素環化合物はヘテロ原子の種類や環構造(員数, 縮環様式, 酸化度など), 置換基に応じた多彩な構造を有し, 低分子医薬リードの設計と合成におけるテンプレートとして創薬研究で重宝される. しかし, 既に探索し尽くされた低分子医薬リードに代わり, 複雑に官能基化された複素環骨格とそれらを含む高難度アルカロイドの需要が急速に高まる近年, 単純な複素環化合物を標的とした既存法では, その供給に対応できないことが問題となっている. ところで, インドールは, 400種以上に及ぶ医薬品に含まれる含窒素芳香属複素環であり, また強力な生物活性を示すアルカロイドによくみられる. そこで, これまでに多種多様な修飾法や合成法が開発されてきた. しかし, 近年の創薬研究の需要を満たす多置換型インドールの合成においては, これらの手法の適用が困難になる. 例えば, 置換基の少ない単純なインドールを出発し, 官能基化を後から試みる場合, 官能基が増えるにつれて増大する立体障害の克服や位置選択性, 化学選択性の制御の問題と常に対峙する必要がある.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.21-00199