X線回折測定による医療用経皮吸収型製剤中の薬物結晶の検出と解析

「緒言」現在流通している医療用貼付剤の多くは, 基剤となる添加剤と有効成分を均一に混合して支持体上に展延したマトリックス型の製剤で, 中でも, 皮膚に貼付するための粘着層に有効成分を含有するものが主流となっている. マトリックス型の製剤は, 構造が単純で比較的容易に製造できること, 製剤の厚みが抑えられることなどの利点があるが, 薬物の安定性や放出性が基剤に大きく依存するため, 基剤と薬物の相溶性や薬物の皮膚透過性, 粘着力など, 製剤設計には多面的な考慮が必要とされる. 製剤設計においてマトリックス型貼付剤は, 薬物が分子状態で基剤に溶解しているものと, 溶解した薬物分子と薬物結晶が共存して...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2022/01/01, Vol.142(1), pp.65-74
Hauptverfasser: 宮崎, 玉樹, 阿曽, 幸男, 合田, 幸広
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」現在流通している医療用貼付剤の多くは, 基剤となる添加剤と有効成分を均一に混合して支持体上に展延したマトリックス型の製剤で, 中でも, 皮膚に貼付するための粘着層に有効成分を含有するものが主流となっている. マトリックス型の製剤は, 構造が単純で比較的容易に製造できること, 製剤の厚みが抑えられることなどの利点があるが, 薬物の安定性や放出性が基剤に大きく依存するため, 基剤と薬物の相溶性や薬物の皮膚透過性, 粘着力など, 製剤設計には多面的な考慮が必要とされる. 製剤設計においてマトリックス型貼付剤は, 薬物が分子状態で基剤に溶解しているものと, 溶解した薬物分子と薬物結晶が共存しているものの2種類に大別される. 後者には, 「結晶が薬物貯留槽となることで, 膏体中の溶解した薬物濃度が, 長時間にわたって一定に保持され, 膏体から皮膚への持続的な放出がなされ」るような特殊技術で製造された製品も流通しているが, 製品数は限られる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.21-00160