保育所内の与薬依頼経験のある母親における与薬への意識と与薬依頼頻度に関連する要因の検討

「緒言」保育所等を利用している乳幼児の数は近年増え続け, 2020年4月時点においては274万人に達している. 特に1, 2歳児を中心とする低年齢児の増加が著しく, 約半数(50.4%)の乳児が保育所で過ごしている. 低年齢児は集団生活によって感染し易く, 年長児に比べて保育所で与薬される割合が高いことから, 低年齢児の利用増に伴って保育所等での与薬の頻度も増加していると推測される. 保育現場での与薬について, 一定の条件を満たしている場合, 事前の家族の依頼に基づく与薬は医行為とはみなされないことが2005年に厚生労働省の通知によって示された. 結果として, 与薬を引き受ける施設では, 本来...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2021/09/01, Vol.141(9), pp.1095-1107
Hauptverfasser: 柳, 奈津代, 佐藤, 宏樹, 澤田, 康文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」保育所等を利用している乳幼児の数は近年増え続け, 2020年4月時点においては274万人に達している. 特に1, 2歳児を中心とする低年齢児の増加が著しく, 約半数(50.4%)の乳児が保育所で過ごしている. 低年齢児は集団生活によって感染し易く, 年長児に比べて保育所で与薬される割合が高いことから, 低年齢児の利用増に伴って保育所等での与薬の頻度も増加していると推測される. 保育現場での与薬について, 一定の条件を満たしている場合, 事前の家族の依頼に基づく与薬は医行為とはみなされないことが2005年に厚生労働省の通知によって示された. 結果として, 与薬を引き受ける施設では, 本来の保育に係わる業務のほかに与薬に関連する業務が加わったと言える. 与薬に関して, 保護者から児を預かっている責任感から何か起こってはいけないという重圧によって保育士の不安や緊張が高まっていると考えられることや, 与薬忘れや誤薬, 児の急変などの不安や困難を約6割の保育士が感じていたことなどが, これまでの調査によって示されている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.21-00002