転倒転落予防を目的とした不眠時指示薬標準化における薬剤経済学的評価

「緒言」 睡眠障害の要因は一般に, 身体的原因, 生理学的原因, 心理学的原因, 精神医学的原因, 薬理学的原因の5つに大別される. 入院患者はこれらの要因を複数併せ持つことが多く, 医療機関では必要に応じて様々な患者に対し睡眠導入剤が使用されている. 睡眠導入剤として広く使用されているベンゾジアゼピン(benzodiazepine; BZ)系薬剤(以下, BZ系薬)は, ベンゾジアゼピン受容体に結合すると脳内抑制性神経伝達物質の1つであるγ-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid; GABA)のGABA A受容体への親和性が増加し, 間接的にGABAの作用を増強させることにより,...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2021/07/01, Vol.141(7), pp.971-978
Hauptverfasser: 税所, 篤行, 高砂, 美和子, 若林, 和貴, 秋山, 真里, 幸田, 恭治, 髙崎, 彰久, 松永, 和人, 石田, 博, 北原, 隆志
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 睡眠障害の要因は一般に, 身体的原因, 生理学的原因, 心理学的原因, 精神医学的原因, 薬理学的原因の5つに大別される. 入院患者はこれらの要因を複数併せ持つことが多く, 医療機関では必要に応じて様々な患者に対し睡眠導入剤が使用されている. 睡眠導入剤として広く使用されているベンゾジアゼピン(benzodiazepine; BZ)系薬剤(以下, BZ系薬)は, ベンゾジアゼピン受容体に結合すると脳内抑制性神経伝達物質の1つであるγ-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid; GABA)のGABA A受容体への親和性が増加し, 間接的にGABAの作用を増強させることにより, 神経細胞の興奮を抑制し, 催眠・鎮静作用を示すと考えられている. このBZ系薬は, 認知機能低下や精神依存のみならず筋弛緩作用を引き起こすことから, 高齢患者での転倒転落による骨折事例増加の一因となることが報告されている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.21-00020