膀胱運動に対するジスチグミンの長時間持続性増強効果の作用機序について

「1. はじめに」 ジスチグミン臭化物(ジスチグミン)は, 1950年代にSchmidにより合成されたカルバメート系コリンエステラーゼ(cholinesterase; ChE)阻害薬であり, ジスチグミンと同様カルバメート系ChE阻害薬に分類されるピリドスチグミンをヘキサメチレン基を介して2分子含有する化学構造をとる. ジスチグミンの主たる適応は, ピリドスチグミン, ネオスチグミン, アンベノニウムなどの他のChE阻害薬と同様, 重症筋無力症であり, 日本国内のほか, アジア, 中東, 欧州で臨床使用されている. また, ジスチグミンは, 日本では, 緑内障治療薬としても使用されている. さ...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2021/02/01, Vol.141(2), pp.245-254
Hauptverfasser: 小原, 圭将, 田中, 芳夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 ジスチグミン臭化物(ジスチグミン)は, 1950年代にSchmidにより合成されたカルバメート系コリンエステラーゼ(cholinesterase; ChE)阻害薬であり, ジスチグミンと同様カルバメート系ChE阻害薬に分類されるピリドスチグミンをヘキサメチレン基を介して2分子含有する化学構造をとる. ジスチグミンの主たる適応は, ピリドスチグミン, ネオスチグミン, アンベノニウムなどの他のChE阻害薬と同様, 重症筋無力症であり, 日本国内のほか, アジア, 中東, 欧州で臨床使用されている. また, ジスチグミンは, 日本では, 緑内障治療薬としても使用されている. さらに, 日本において, ジスチグミンは, 1968年の発売以降, 尿排出機能障害(低活動膀胱)に対する治療薬として重要な地位を占めている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.20-00212