分岐鎖オリゴグリセロールを用いた難水溶性化合物の親水化技術と医薬品への応用
「1. はじめに」医薬品開発の過程において, 標的分子に対する強力な作用を示す物質がリード化合物の候補となるが, 個体レベルで高い有効性を示すためには, 薬物が十分に体内に吸収され, 標的臓器に分布することが欠かせない. In vitro, 若しくは, 細胞レベルでの生物学的活性が高くても, 薬物動態特性が悪く, 臨床応用に至らない薬物も少なくない. 一般的に, 薬物が体内に吸収されるためには消化管内で水系の溶媒に溶解している必要があるが, 細胞膜を通過し, 標的臓器に分布するためにはある程度の脂溶性が必要であり, 良好な薬物動態特性を示すためには親水性-疎水性バランスが適切であることが重要と...
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2020/08/01, Vol.140(8), pp.1001-1006 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」医薬品開発の過程において, 標的分子に対する強力な作用を示す物質がリード化合物の候補となるが, 個体レベルで高い有効性を示すためには, 薬物が十分に体内に吸収され, 標的臓器に分布することが欠かせない. In vitro, 若しくは, 細胞レベルでの生物学的活性が高くても, 薬物動態特性が悪く, 臨床応用に至らない薬物も少なくない. 一般的に, 薬物が体内に吸収されるためには消化管内で水系の溶媒に溶解している必要があるが, 細胞膜を通過し, 標的臓器に分布するためにはある程度の脂溶性が必要であり, 良好な薬物動態特性を示すためには親水性-疎水性バランスが適切であることが重要とされている. しかしながら, ドラッグデザインの過程において, 高い生物学的活性を保ちつつ適正な親水性-疎水性バランスを実現することは容易ではない. 無傷細胞系やタンパク性の標的分子を用いた化合物スクリーニングにおいては疎水性の低すぎる化合物はヒットしづらく, 創薬の現場では疎水性の極めて強い, 難水溶性化合物の物性改善が構造展開上の課題となることが多いことから, 疎水性化合物に対する親水化技術可溶化技術が研究されてきた. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.20-00012-6 |