フライアッシュ由来ゼオライトの創製とセシウムイオン及びストロンチウムイオンの吸着能に関する基礎研究

「緒言」原子力産業の始まりはおよそ1940年頃とされており, 現在までの約80年間で急速な発展を遂げ, 人類の生活に必要不可欠なものとなっている. その一方で, 大量の放射性廃棄物を含む排水が発生しているのが現状である. また, 1986年にはチェルノブイリ原子力発電所事故, 2011年には日本においても東京電力福島第一原子力発電所事故に代表されるように原子力関連の事故により, 大量の放射性物質が水系環境中に放出されている. 特に, セシウム-137及びストロンチウム-90は, その半減期がそれぞれ約30年及び約29年と非常に長く, ヒトへの健康被害のみならず, 水系環境への悪影響も懸念されて...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2020/05/01, Vol.140(5), pp.729-737
Hauptverfasser: 緒方, 文彦, 小林, 悠平, 植松, 勇伍, 中村, 武浩, 川﨑, 直人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」原子力産業の始まりはおよそ1940年頃とされており, 現在までの約80年間で急速な発展を遂げ, 人類の生活に必要不可欠なものとなっている. その一方で, 大量の放射性廃棄物を含む排水が発生しているのが現状である. また, 1986年にはチェルノブイリ原子力発電所事故, 2011年には日本においても東京電力福島第一原子力発電所事故に代表されるように原子力関連の事故により, 大量の放射性物質が水系環境中に放出されている. 特に, セシウム-137及びストロンチウム-90は, その半減期がそれぞれ約30年及び約29年と非常に長く, ヒトへの健康被害のみならず, 水系環境への悪影響も懸念されている. ストロンチウムはカルシウムと化学的性質が類似しているために, 生体内に取り込まれると骨組織に蓄積し, 骨髄などの造血系に悪影響を及ぼし, 白血病などのリスク増大に寄与すると考えられている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.19-00261