薬剤師の理想的な役割:看護師の立場から

「1. はじめに」本稿では, 薬剤師とともにチーム医療を担う看護師の立場から, 特に病院における質の高い医療を目指して, 薬剤師に対する期待を一人の看護師の立場から述べる. 「2. 医療事故の概要」厚生労働省は2010年, 質の高い医療を目指して, チーム医療の推進を掲げた. チーム医療の推進に関する検討会の報告書によれば, チーム医療がもたらす具体的な効果は, (1) 疾病の早期発見・回復促進・重症化予防など医療・生活の質の向上, (2) 医療の効率性の向上による医療従事者の負担の軽減, (3) 医療の標準化・組織化を通じた医療安全の向上である. ただし, チーム医療の推進の背景には, 病院...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2020/03/01, Vol.140(3), pp.415-418
1. Verfasser: 中原, るり子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」本稿では, 薬剤師とともにチーム医療を担う看護師の立場から, 特に病院における質の高い医療を目指して, 薬剤師に対する期待を一人の看護師の立場から述べる. 「2. 医療事故の概要」厚生労働省は2010年, 質の高い医療を目指して, チーム医療の推進を掲げた. チーム医療の推進に関する検討会の報告書によれば, チーム医療がもたらす具体的な効果は, (1) 疾病の早期発見・回復促進・重症化予防など医療・生活の質の向上, (2) 医療の効率性の向上による医療従事者の負担の軽減, (3) 医療の標準化・組織化を通じた医療安全の向上である. ただし, チーム医療の推進の背景には, 病院における薬剤関連事故への懸念がある. 日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業の報告によれば, 2018年1月-12月までの事故報告は, 全体として4565件であり, そのうち最も多いのが, 療養上の世話関連の事故1553件 (34.0%) であり, ついで治療・処置関連事故1283件 (28.1%) , 続いて薬剤関連事故418件 (9.2%) となっている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.19-00194-3