骨吸収抑制薬bisphosphonatesによる顎骨壊死の機序・予防・治療に関する基礎研究

「1. はじめに」ピロリン酸の研究から始まったbisphosphonates(BPs)(以前はdiphosphonatesと呼称)の研究は, 現在, 骨転移性がん(乳がん, 前立腺がん, 肺がんなど)・多発性骨髄腫・骨粗鬆症・骨形成不全など, 骨吸収亢進を伴う広い疾患へのBPsの応用に至っている. BPsの副作用としてはインフルエンザ様の炎症反応(発熱や急性期タンパクの増加など)や消化管傷害などが知られていた. しかし, 2003年, 顎骨壊死(BP-related osteonecrosis of the jaw; BRONJ)が報告され, 以後多数のBRONJ症例が報告されている. BPs...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2020/01/01, Vol.140(1), pp.63-79
Hauptverfasser: 遠藤, 康男, 船山, ひろみ, 山口, 晃史, 門馬, 祐子, 兪, 志前, 鄧, 雪, 大泉, 丈史, 四釜, 洋介, 田中, 志典, 岡田, 諭, 金, 始瑛, 木山, 朋美, 坂東, 加南, 島, 和弘, 鈴木, 飛佳理, 高橋, 哲
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「1. はじめに」ピロリン酸の研究から始まったbisphosphonates(BPs)(以前はdiphosphonatesと呼称)の研究は, 現在, 骨転移性がん(乳がん, 前立腺がん, 肺がんなど)・多発性骨髄腫・骨粗鬆症・骨形成不全など, 骨吸収亢進を伴う広い疾患へのBPsの応用に至っている. BPsの副作用としてはインフルエンザ様の炎症反応(発熱や急性期タンパクの増加など)や消化管傷害などが知られていた. しかし, 2003年, 顎骨壊死(BP-related osteonecrosis of the jaw; BRONJ)が報告され, 以後多数のBRONJ症例が報告されている. BPsは反復投与で骨に蓄積し, 現状の投与が続けば, 今後もBRONJの発症が増え続けると思われる. BRONJは治療が難しく, 有効な治療法もない. 抜歯などの歯科治療や口腔細菌がBRONJを促進すると予想されている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.19-00125