皮膚外用剤の物性の違いが塗布量に与える影響に関する臨床研究:成人被験者を対象としたアンケート調査による基剤の使用感と塗布量の探索的検討

「緒言」 皮膚外用療法は, 皮膚疾患の重要な治療法の1つである. 皮膚外用剤には, 軟膏剤, クリーム剤, ローション剤などの複数の剤形があり, その物性の特徴により適用部位での刺激性, 浸透性, 被覆性や使用性などが異なる. このように, 皮膚外用剤では, 内服薬と比べ基剤が大きな役割を担っているため, 皮膚科医は基剤効果を理解し, 皮膚症状や状態, 適用部位, 年齢, 季節等に応じて剤形を選択している. また, 皮膚外用療法では患者自身あるいは介護者が皮膚外用剤を塗布する. そのため, 薬剤師を含めた医療従事者は基剤の物性や使用感などを理解して, 患者に塗布量や塗布回数などの外用指導を行い...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2019/10/01, Vol.139(10), pp.1313-1325
Hauptverfasser: 仲東, 春香, 沼崎, 俊哉, 中村, 浩, 吉岡, 大輔, 芦塚, 勇樹, 吉宗, 良祐, 本多, 宣子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 皮膚外用療法は, 皮膚疾患の重要な治療法の1つである. 皮膚外用剤には, 軟膏剤, クリーム剤, ローション剤などの複数の剤形があり, その物性の特徴により適用部位での刺激性, 浸透性, 被覆性や使用性などが異なる. このように, 皮膚外用剤では, 内服薬と比べ基剤が大きな役割を担っているため, 皮膚科医は基剤効果を理解し, 皮膚症状や状態, 適用部位, 年齢, 季節等に応じて剤形を選択している. また, 皮膚外用療法では患者自身あるいは介護者が皮膚外用剤を塗布する. そのため, 薬剤師を含めた医療従事者は基剤の物性や使用感などを理解して, 患者に塗布量や塗布回数などの外用指導を行い, 十分な量を継続して塗布させることが治療ゴールを達成する上で重要である. しかしながら, 実臨床では医療従事者の基剤の物性や役割に関する認識が十分ではなく, 患者への説明が適切に行われないことが多いことが課題とされている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.19-00091