プリオンとプリオン様タンパク質

神経変性疾患における異常タンパク質病変の広がりは, 臨床像と強い相関が示されており, 病態進行との密接な関係が指摘されている. 近年, 神経変性疾患の原因となる異常タンパク質が, 感染症に分類されるプリオン病の病原体"プリオン"と同様な性質を有し, 元々宿主に発現している正常タンパク質を異常タンパク質に変換, 増殖し, 細胞間を伝播することが動物実験等で証明されている. このように, 現在, 「タンパク質のプリオン化」は認知症や神経変性疾患の共通の分子病態として認識されつつあるが, その詳細なメカニズムに関しては不明な点が多い....

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2019/07/01, Vol.139(7), pp.987-987
Hauptverfasser: 佐野, 和憲, 細川, 雅人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:神経変性疾患における異常タンパク質病変の広がりは, 臨床像と強い相関が示されており, 病態進行との密接な関係が指摘されている. 近年, 神経変性疾患の原因となる異常タンパク質が, 感染症に分類されるプリオン病の病原体"プリオン"と同様な性質を有し, 元々宿主に発現している正常タンパク質を異常タンパク質に変換, 増殖し, 細胞間を伝播することが動物実験等で証明されている. このように, 現在, 「タンパク質のプリオン化」は認知症や神経変性疾患の共通の分子病態として認識されつつあるが, その詳細なメカニズムに関しては不明な点が多い.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.18-00165-F