骨芽細胞分化を標的とした新規経口骨粗鬆症治療薬の開発

「1. はじめに」骨粗鬆症は, WHOによれば, 「低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし, 骨の脆弱性が増大し, 骨折の危険性が増大する疾患」と定義されている. 原発性骨粗鬆症は, 高齢者, 特に閉経後の女性に好発し, 転倒などのわずかな衝撃で容易に骨折し, 生活の質 (QOL) 及び日常生活動作 (activities of daily living ; ADL) 低下を来たすとともに, 死亡リスクを上昇させるため, 社会的に大きな問題となっている. 近年, 人口の高齢化に伴い骨粗鬆症患者数は増加の一途を辿り, 国内の患者数は約1300万人, 日米欧では7500万人以上と推定されている....

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2019/01/01, Vol.139(1), pp.19-25
Hauptverfasser: 北尾, 達哉, 伊東, 佑真, 福井, 正樹, 山本, めぐみ, 庄子, 幸倫, 武田, 滋充, 白波瀬, 弘明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」骨粗鬆症は, WHOによれば, 「低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし, 骨の脆弱性が増大し, 骨折の危険性が増大する疾患」と定義されている. 原発性骨粗鬆症は, 高齢者, 特に閉経後の女性に好発し, 転倒などのわずかな衝撃で容易に骨折し, 生活の質 (QOL) 及び日常生活動作 (activities of daily living ; ADL) 低下を来たすとともに, 死亡リスクを上昇させるため, 社会的に大きな問題となっている. 近年, 人口の高齢化に伴い骨粗鬆症患者数は増加の一途を辿り, 国内の患者数は約1300万人, 日米欧では7500万人以上と推定されている. 現在, 骨粗鬆症の治療には, 経口剤としてビスホスホネート製剤のアレンドロネートやリセドロネート等, 選択的エストロゲン受容体モジュレーター (selective estrogen receptor modulator ; SERM) のプロキシフェンやバゼドキシフェンが, 注射剤としてparathyroid hormone (PTH) 製剤のテリパラチド, 抗receptor activator of nuclear factor-κB ligand (RANKL) 抗体のデノスマブなどが用いられているが, かならずしも十分ではない.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.18-00154-2