骨粗鬆症研究と治療の未来

近年, 高齢者に対する骨粗鬆症治療の必要性が認識され, 要介護人口の増加抑制や医療費削減などの観点から薬物治療やその開発の需要が急速に高まって来ている. Research on Osteoarthritis Against Disability (ROAD) 研究から, わが国の骨粗鬆症患者数は1000万人を超えているが, Japanese Population-based Osteoporosis (JPOS) 研究から治療を受けている患者数は50万人程度と推定されている. 骨粗鬆症による骨密度低下により骨折リスクが増大する. 要介護の原因の10%が骨折であり, 大腿骨骨折や圧迫骨折後の生命...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2019/01/01, Vol.139(1), pp.13-14
Hauptverfasser: 檜井, 栄一, 荒井, 國三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 高齢者に対する骨粗鬆症治療の必要性が認識され, 要介護人口の増加抑制や医療費削減などの観点から薬物治療やその開発の需要が急速に高まって来ている. Research on Osteoarthritis Against Disability (ROAD) 研究から, わが国の骨粗鬆症患者数は1000万人を超えているが, Japanese Population-based Osteoporosis (JPOS) 研究から治療を受けている患者数は50万人程度と推定されている. 骨粗鬆症による骨密度低下により骨折リスクが増大する. 要介護の原因の10%が骨折であり, 大腿骨骨折や圧迫骨折後の生命予後は不良であることが示されている. 骨粗鬆症の診断は骨折の既往と骨密度値によってなされ, 問診と血液・尿検査によって続発性骨粗鬆症の鑑別を実施している. 骨折リスクを推定する評価法として, 二重X線エネルギー吸収法 (dualenergy X-ray absorptiometry ; DXA法) による骨密度検査や血清あるいは尿の骨代謝マーカー測定, コホート研究の結果に基づくアルゴリズムを利用して臨床上の危険因子を組み合わせて10年以内の骨折リスクを算出するFracture Risk Assessment Tool (FRAX) などがある.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.18-00154-F