院内製剤における六君子湯エキス含有坐剤の製剤学的特性及びラットを用いた生物学的同等性の評価

「背景」わが国における死亡者数は増加傾向にあるが, 悪性新生物(がん)による死亡者数は全体の約30%を占め, 死亡者数や死亡率も年々増加している. がんの治療法には主に, 外科療法, 放射線療法及び薬物療法があるが, そのうち薬物療法は, 局所的でなく全身のがん細胞を死滅させることができるメリットを持つ一方で, 悪心嘔吐(nausea and vomiting; NV)や食欲不振により患者のQOLに影響して外科的治療や化学療法の継続を困難にする. ゆえに, がんの治療は, 患者のQOLを十分に考慮した補助療法や副作用の回避が重要である. この発現頻度は抗がん剤の種類, 投与量及び投与経路などに...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2018/09/01, Vol.138(9), pp.1169-1179
Hauptverfasser: 村田, 勇, 西山, 大青, 川崎, 浩範, 内藤, 千鶴, 鎌田, 武志, 古河, 義行, 岩田, 萌子, 杉野, 雅浩, 井上, 裕, 金本, 郁男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「背景」わが国における死亡者数は増加傾向にあるが, 悪性新生物(がん)による死亡者数は全体の約30%を占め, 死亡者数や死亡率も年々増加している. がんの治療法には主に, 外科療法, 放射線療法及び薬物療法があるが, そのうち薬物療法は, 局所的でなく全身のがん細胞を死滅させることができるメリットを持つ一方で, 悪心嘔吐(nausea and vomiting; NV)や食欲不振により患者のQOLに影響して外科的治療や化学療法の継続を困難にする. ゆえに, がんの治療は, 患者のQOLを十分に考慮した補助療法や副作用の回避が重要である. この発現頻度は抗がん剤の種類, 投与量及び投与経路などにより高度催吐性, 中等度催吐性, 軽度催吐性及び最小度催吐性に分類される. 現在のがん化学療法においてシスプラチン[cis-diamminedichloro-platinum(II);CDDP]は, 24時間以内にNVを発現する高度催吐性リスクに分類される抗がん剤であり, 典型的な急性及び遅発性のNVを引き起こす薬物であるため, その予防あるいは軽減することが, がん患者のQOLの維持や向上によって化学療法を継続可能にする上で重要である.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.18-00010