薬剤アレルギーの発症機構とその診断検査への取り組み

「1. はじめに」医薬品の副作用は, 臨床では「医薬品有害作用」と同義であり, 薬物治療の安全性が叫ばれる今日では医療従事者にとって避けては通れない深刻な問題となっている. 医薬品有害作用の発症機序は, 薬理学的作用(pharmacologic effects), アレルギー反応(allergic reaction), 特異体質性反応(idiosyncratic reaction), 薬物(剤)不耐性(drug intolerance)などに分類されているが, アレルギー反応, 特異体質性反応及び薬物耐性の区別が曖昧である. そこで, 現段階では薬物自体の薬理作用に起因する「中毒性副作用(to...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2018/02/01, Vol.138(2), pp.151-167
1. Verfasser: 宇野, 勝次
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」医薬品の副作用は, 臨床では「医薬品有害作用」と同義であり, 薬物治療の安全性が叫ばれる今日では医療従事者にとって避けては通れない深刻な問題となっている. 医薬品有害作用の発症機序は, 薬理学的作用(pharmacologic effects), アレルギー反応(allergic reaction), 特異体質性反応(idiosyncratic reaction), 薬物(剤)不耐性(drug intolerance)などに分類されているが, アレルギー反応, 特異体質性反応及び薬物耐性の区別が曖昧である. そこで, 現段階では薬物自体の薬理作用に起因する「中毒性副作用(toxic side effects)」と患者の体質に起因する「特異体質性反応」に分け, 「特異体質性反応」はさらに遺伝的素因(遺伝子多型)に基づく「代謝障害性副作用(metabolic abnormality side effects)」と「受容体過敏性副作用(receptor supersensitivity side effects) = 薬物不耐性」, さらに免疫学的機序に基づく「アレルギー性副作用(allergic side effects) = 薬物(剤)アレルギー(drug allergy)」に分類するのが適切であると考える.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.17-00174-1