心肺停止患者における生存率の向上を志向したドラッグリポジショニング研究 —大規模医療情報を活用した検討

「1. はじめに」 日本における心停止患者数は年間約10万人で, 高齢化に伴ってさらに増加していくと予想されている. 全世界では毎年約1億人の心肺停止患者が発生しており国際的な課題となっている. 心肺蘇生法の進歩により救命率が向上しているものの, 心拍再開後に高率で蘇生後脳症を合併するため社会復帰率は非常に低い. 蘇生後脳症に対する治療は長期にわたり, 後遺症が残ると介護が必要になるので医療費増大による経済的損失は計りしれない. 現時点で心肺停止に合併する蘇生後脳症を改善する薬剤は存在しないため新規治療薬の開発が望まれている. 近年, 臨床現場で使用されている既存薬の新しい薬効を発見し, その...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2017, Vol.137(12), pp.1439-1442
Hauptverfasser: 座間味, 義人, 新村, 貴博, 武智, 研志, 今西, 正樹, 小山, 敏広, 石澤, 啓介
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 日本における心停止患者数は年間約10万人で, 高齢化に伴ってさらに増加していくと予想されている. 全世界では毎年約1億人の心肺停止患者が発生しており国際的な課題となっている. 心肺蘇生法の進歩により救命率が向上しているものの, 心拍再開後に高率で蘇生後脳症を合併するため社会復帰率は非常に低い. 蘇生後脳症に対する治療は長期にわたり, 後遺症が残ると介護が必要になるので医療費増大による経済的損失は計りしれない. 現時点で心肺停止に合併する蘇生後脳症を改善する薬剤は存在しないため新規治療薬の開発が望まれている. 近年, 臨床現場で使用されている既存薬の新しい薬効を発見し, その薬を別の疾患の治療薬として開発するドラッグリポジショニングという創薬戦略が提案されている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.17-00139-3