肝細胞肥大の毒性学的特徴の解明に向けた農薬のラット反復投与毒性試験結果データベースの構築

「緒論」 生体内に取り込まれた化学物質は, しばしば肝肥大(肝重量増加)及び肝細胞肥大を引き起こす. 化学物質の安全性評価のために実施される実験動物を用いた毒性試験においても, 肝肥大及び肝細胞肥大は最も一般的に認められる影響の1つである. 肝細胞肥大は小葉中心性, 小葉中間性, 小葉周辺性及び小葉びまん性に認められ, 化学物質の種類により発現部位は異なるが, 実際には小葉中心性に認められることが多い, 代表的な例として, げっ歯動物の肝がんプロモーターで薬物代謝酵素誘導薬である抗てんかん薬フェノバルビタールは, ラットやマウスで小葉中心性の肝細胞肥大を引き起こすことが知られている. 肝の小葉...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2017/05/01, Vol.137(5), pp.611-622
Hauptverfasser: 増田, 茜, 増田, 雅美, 川野, 拓歩, 橘内, 陽子, 中山, 晴香, 中島, 宏之, 小島, 弘幸, 北村, 繁幸, 浦丸, 直人, 保坂, 卓臣, 佐々木, 崇光, 吉成, 浩一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「緒論」 生体内に取り込まれた化学物質は, しばしば肝肥大(肝重量増加)及び肝細胞肥大を引き起こす. 化学物質の安全性評価のために実施される実験動物を用いた毒性試験においても, 肝肥大及び肝細胞肥大は最も一般的に認められる影響の1つである. 肝細胞肥大は小葉中心性, 小葉中間性, 小葉周辺性及び小葉びまん性に認められ, 化学物質の種類により発現部位は異なるが, 実際には小葉中心性に認められることが多い, 代表的な例として, げっ歯動物の肝がんプロモーターで薬物代謝酵素誘導薬である抗てんかん薬フェノバルビタールは, ラットやマウスで小葉中心性の肝細胞肥大を引き起こすことが知られている. 肝の小葉中心域ではシトクロムP450(P450)を始めとする薬物代謝酵素の活性が高く, これらの酵素を含む滑面小胞体の含量も多い. また, フェノバルビタールなどの薬物代謝酵素誘導薬が投与されると, P450の発現亢進とともに滑面小胞体の増加が起こる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.16-00259