損傷類似人工核酸による核酸修復酵素阻害剤の開発

「はじめに」細胞内のDNAやRNAで代表される核酸類は, 日々の生活のストレスや酸化物質, 紫外線, 放射線や種々の化学物質の暴露により絶えず損傷を受けている. これらの損傷は, 核酸修復酵素の働きにより元通りに修復され恒常性が保たれている. しかしながら, なんらかの理由でこれらの損傷と修復のバランスが崩れることにより, 損傷を受けた核酸が蓄積することとなる. 8-オキソグアニン(8-oxo-G)は代表的な酸化損傷塩基の1つで, グアニン(G)の8位が活性酸素種(reactive oxygen species;ROS)によって酸化されて生じる. DNA中では8-オキソ-2'-デオキ...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2017/03/01, Vol.137(3), pp.293-300
1. Verfasser: 谷口, 陽祐
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」細胞内のDNAやRNAで代表される核酸類は, 日々の生活のストレスや酸化物質, 紫外線, 放射線や種々の化学物質の暴露により絶えず損傷を受けている. これらの損傷は, 核酸修復酵素の働きにより元通りに修復され恒常性が保たれている. しかしながら, なんらかの理由でこれらの損傷と修復のバランスが崩れることにより, 損傷を受けた核酸が蓄積することとなる. 8-オキソグアニン(8-oxo-G)は代表的な酸化損傷塩基の1つで, グアニン(G)の8位が活性酸素種(reactive oxygen species;ROS)によって酸化されて生じる. DNA中では8-オキソ-2'-デオキシグアノシン(8-oxo-dG)として存在しており, 8-oxo-dGは相補鎖中の2'-デオキシシチジン(dC)とアンチ配座で, また2'-デオキシアデノシン(dA)とはシン配座で塩基対形成が可能なため, 複製の段階で遺伝子毒性を誘導することが知られている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.16-00231-2