標的臓器への安全かつ高効率な核酸医薬送達を実現する多機能性ナノデバイスの開発

「1. はじめに」遺伝子・核酸医薬は低分子医薬品やバイオ医薬品では標的にできなかった分子を標的可能であり, がんやウイルス感染症, 自己免疫疾患などの難治性疾患や希少疾患に対する革新的な次世代医薬品として注目されている. また, 規格化・品質管理が容易で特異性及び効果が高いといった低分子医薬品と抗体医薬品の利点を併せ持つ. しかし, 遺伝子・核酸医薬は安定性や膜透過性が低いため, 臨床応用には細胞内へ安全に効率よく導入できるドラッグデリバリーシステム(drug delivery system; DDS)との融合が必須である. 遺伝子・核酸医薬のDDSとしては, 導入効率の高いウイルスベクターを...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2016, Vol.136(11), pp.1533-1539
1. Verfasser: 兒玉, 幸修
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」遺伝子・核酸医薬は低分子医薬品やバイオ医薬品では標的にできなかった分子を標的可能であり, がんやウイルス感染症, 自己免疫疾患などの難治性疾患や希少疾患に対する革新的な次世代医薬品として注目されている. また, 規格化・品質管理が容易で特異性及び効果が高いといった低分子医薬品と抗体医薬品の利点を併せ持つ. しかし, 遺伝子・核酸医薬は安定性や膜透過性が低いため, 臨床応用には細胞内へ安全に効率よく導入できるドラッグデリバリーシステム(drug delivery system; DDS)との融合が必須である. 遺伝子・核酸医薬のDDSとしては, 導入効率の高いウイルスベクターを用いた研究が主流に行われてきたが, 安全性や標的指向性の欠如が問題となっており, 臨床応用には至っていない. 一方, 非ウイルスベクターにおいては, カチオン性高分子やカチオン性脂質などのカチオン性化合物を用いたベクター開発が数多く行われている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.16-00198