選択的βアドレナリン受容体作動薬と血圧上昇との関連性 : 日本の有害事象自発報告データベース (JADER) を用いた解析

「緒言」βアドレナリン受容体作動薬は, 心不全, 気道閉塞性障害, 切迫流早産及び過活動膀胱など様々な疾患に使用される薬剤である, なかでも選択的β2アドレナリン受容体作動薬は心血管作用の少ない薬剤として, 喘息, 肺気腫, 気管支炎などの治療に小児から成人まで広く用いられており, 短時間作用型の吸入剤が単剤で喘息の発作時の寛解薬として, 長時間作用型の吸入剤がステロイドとの併用で喘息の長期管理薬としてガイドラインにも記載されている. 切迫流早産に適応を持つリトドリンは, わが国では比較的軽症で外来管理できる患者を対象に経口剤が使用され, 近年上市された選択的β3アドレナリン受容体作動薬のミラ...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2016-07, Vol.136 (7), p.1065-1071
Hauptverfasser: 大山勝宏, 井上みち子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」βアドレナリン受容体作動薬は, 心不全, 気道閉塞性障害, 切迫流早産及び過活動膀胱など様々な疾患に使用される薬剤である, なかでも選択的β2アドレナリン受容体作動薬は心血管作用の少ない薬剤として, 喘息, 肺気腫, 気管支炎などの治療に小児から成人まで広く用いられており, 短時間作用型の吸入剤が単剤で喘息の発作時の寛解薬として, 長時間作用型の吸入剤がステロイドとの併用で喘息の長期管理薬としてガイドラインにも記載されている. 切迫流早産に適応を持つリトドリンは, わが国では比較的軽症で外来管理できる患者を対象に経口剤が使用され, 近年上市された選択的β3アドレナリン受容体作動薬のミラベグロンは, ヒト膀胱平滑筋β3アドレナリン受容体を選択的に阻害するとして, 「過活動膀胱における尿意切迫感, 頻尿及び切迫性尿失禁」に適用を有する. β2アドレナリン受容体作動薬の有害事象として添付文書に記載のある振戦, 頻脈, 低カリウム血症等は, 脆弱な受容体選択性に起因するβ1アドレナリン受容体刺激作用によるものとされている.
ISSN:0031-6903