グローバル医薬品開発におけるレギュラトリーサイエンス：アカデミアの役割

「1. はじめに」わが国においては, 2013年6月に日本再興戦略が政府により策定され, 2014年6月には, 医療・介護分野の成長産業化を含む改訂が閣議決定された. 少子高齢化の社会構造にあって, この分野の重要性は経済の成長を牽引する以上に高く, 2015年4月からは「医療分野の研究開発における基礎から実用化までの一貫した研究開発の推進・成果の円滑な実用化及び医療分野の研究開発のための環境の整備を総合的かつ効果的に行う」ことを目的とした, 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (Japan Agency for Medical Research and Development ; AMED) が設立され, オールジャパンによる日本発創薬が推進されている. 一方, よい医薬品は世界中で使われること, 世界最大の医薬品市場は米国であることから, 医薬品開発は欧米を中心としてグローバルに行われ, 各地域の規制当局によってそれぞれに承認審査が行われる.