B細胞ストア作動性カルシウム流入による自己免疫性炎症反応の制御機構
「1. はじめに」 B細胞は液性免疫の中心的役割を担うリンパ球である. 骨髄で分化成熟し, 細胞表面に膜型免疫グロブリンであるB細胞抗原レセプター(B cell antigen receptor ; BCR)を発現した後, 二次リンパ組織である脾臓やリンパ節, 又は粘膜組織に分布する. 外来病原体である細菌やウイルスなどに感染すると, B細胞は活性化されて抗体産生細胞(プラズマ細胞)へと分化し, 抗体を分泌することにより生体防御の役割を果たす. 抗体以外にも, 活性化B細胞は炎症性及び抑制性のサイトカインを分泌することが知られており, 炎症や自己免疫疾患を始め様々な病態との関連が注目されている...
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Veröffentlicht in: | YAKUGAKU ZASSHI 2016/03/01, Vol.136(3), pp.473-478 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」 B細胞は液性免疫の中心的役割を担うリンパ球である. 骨髄で分化成熟し, 細胞表面に膜型免疫グロブリンであるB細胞抗原レセプター(B cell antigen receptor ; BCR)を発現した後, 二次リンパ組織である脾臓やリンパ節, 又は粘膜組織に分布する. 外来病原体である細菌やウイルスなどに感染すると, B細胞は活性化されて抗体産生細胞(プラズマ細胞)へと分化し, 抗体を分泌することにより生体防御の役割を果たす. 抗体以外にも, 活性化B細胞は炎症性及び抑制性のサイトカインを分泌することが知られており, 炎症や自己免疫疾患を始め様々な病態との関連が注目されている. BCRを介して抗原を認識したB細胞は活性化され, 多様な機能を発揮すると考えられる. BCRが刺激されると細胞内に様々なシグナルが伝達されるが, その中でも細胞内カルシウム(Ca2+)濃度上昇は主要なシグナル経路であるため, B細胞の生理的応答に重要であると考えられていたが, 直接的な証拠はなかった. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.15-00246-3 |