患者数と処方箋数の変遷から見た東日本大震災直後の被災地医療:公立相馬総合病院ケースレポート

公立相馬総合病院は, 福島県浜通り北部に位置する相馬市と相馬郡新地町で構成される相馬方部衛生組合が運営する一般病床約240床の総合病院であり, 昭和45年開設以来, 同地域の中核病院としての機能を果たしてきた. 平成23年3月11日に発生した東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所事故では, 大きな被害を受けたものの, 浜通り北部で唯一診療を継続することができた. 当院は, 震災直後に文字通り「最後の砦」として被災者や患者の診療に貢献しただけでなく, 現在も近隣医療機関に医師等の医療従事者を派遣することで浜通りの被災地医療の根幹を担っている. 被災直後の患者数と処方箋数の変遷から, 災害時...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2016/01/01, Vol.136(1), pp.139-142
Hauptverfasser: 福永, 久典, 桃井, 俊幸, 熊川, 宏美
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:公立相馬総合病院は, 福島県浜通り北部に位置する相馬市と相馬郡新地町で構成される相馬方部衛生組合が運営する一般病床約240床の総合病院であり, 昭和45年開設以来, 同地域の中核病院としての機能を果たしてきた. 平成23年3月11日に発生した東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所事故では, 大きな被害を受けたものの, 浜通り北部で唯一診療を継続することができた. 当院は, 震災直後に文字通り「最後の砦」として被災者や患者の診療に貢献しただけでなく, 現在も近隣医療機関に医師等の医療従事者を派遣することで浜通りの被災地医療の根幹を担っている. 被災直後の患者数と処方箋数の変遷から, 災害時に求められた薬剤部の業務について振り返り, 今後に大規模な自然災害が生じた際の対処法について考えたい. 公立相馬総合病院では, 高台に位置するため津波の被害を直接受けずに済んだものの, 地震によって一部の病棟に多数のひび割れが入った.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.15-00176