実務実習事前学習における服薬並びに患者指導の模擬体験教育プログラムの効果

「緒言」患者が正しく服用することにより初めて薬は治療効果を発揮する. 患者が積極的に治療方針の決定に参加し, その決定に従って治療を受けるのは「アドヒアランス」の考え方である. 服薬アドヒアランスの不良は治療効果を低下させたり, 有害事象を発生させたりする. 米国では薬物療法に関連した入院の33%から69%は服薬アドヒアランスの不良が原因の入院であるとの報告がある. 2型糖尿病患者ではアドヒアランスがよいほど血糖コントロールが改善したという報告がある. 服薬アドヒアランスを良好に保つことは薬物療法において重要である. Leeらは薬剤師が管理することにより服薬アドヒアランスは改善するが, 通常の...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2015/06/01, Vol.135(6), pp.809-820
Hauptverfasser: 菊池, 千草, 松永, 民秀, 鈴木, 匡
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」患者が正しく服用することにより初めて薬は治療効果を発揮する. 患者が積極的に治療方針の決定に参加し, その決定に従って治療を受けるのは「アドヒアランス」の考え方である. 服薬アドヒアランスの不良は治療効果を低下させたり, 有害事象を発生させたりする. 米国では薬物療法に関連した入院の33%から69%は服薬アドヒアランスの不良が原因の入院であるとの報告がある. 2型糖尿病患者ではアドヒアランスがよいほど血糖コントロールが改善したという報告がある. 服薬アドヒアランスを良好に保つことは薬物療法において重要である. Leeらは薬剤師が管理することにより服薬アドヒアランスは改善するが, 通常の管理に変更すると服薬アドヒアランスが低下することを報告している. また, Taitelらはスタチン開始時に薬剤師が直接指導することにより服薬アドヒアランスが持続的に良好に保たれることを, Murataらは抗うつ薬の服薬アドヒアランスが薬剤師による服薬指導で改善することを報告している.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.14-00224