Growth differentiation factor-15を介した骨細胞による破骨細胞活性化調節

「1. はじめに」 骨格系は, 脊椎動物の最も基本的な特徴であり, その構造は力学的にも適応した形態を持ち, 生体の支持や運動機能の維持に必須の役割を果たしている. 軟骨内骨化あるいは膜性骨化による骨新生後も, 破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成を絶えず繰り返し, 再構築(いわゆる骨リモデリング)を営むことにより骨の形態や機能が維持されている. 通常の骨リモデリングでは, 骨格系の質及び量は骨吸収と骨形成の間に平衡関係が保たれることにより維持されるが, これらのバランスが破綻すると骨粗鬆症を始めとする様々な骨代謝性疾患が発症する. 骨格系の代謝過程は, 種々のカルシウム代謝ホルモンやサ...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2014/12/01, Vol.134(12), pp.1259-1263
1. Verfasser: 檜井, 栄一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 骨格系は, 脊椎動物の最も基本的な特徴であり, その構造は力学的にも適応した形態を持ち, 生体の支持や運動機能の維持に必須の役割を果たしている. 軟骨内骨化あるいは膜性骨化による骨新生後も, 破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成を絶えず繰り返し, 再構築(いわゆる骨リモデリング)を営むことにより骨の形態や機能が維持されている. 通常の骨リモデリングでは, 骨格系の質及び量は骨吸収と骨形成の間に平衡関係が保たれることにより維持されるが, これらのバランスが破綻すると骨粗鬆症を始めとする様々な骨代謝性疾患が発症する. 骨格系の代謝過程は, 種々のカルシウム代謝ホルモンやサイトカイン, 接着分子, また, 各細胞内の情報伝達機構や転写因子などによる調節を介して緻密に制御されると理解される. 骨組織では, 既述のように破骨細胞, 骨芽細胞及び軟骨細胞を中心に様々な細胞が密接して存在し, 種々のホルモンやサイトカインを介する細胞間ネットワークが形成される.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.14-00209-4