アルコール手指消毒剤のクロルヘキシジングルコン酸塩濃度及び使用量の違いによる手洗いの消毒効果

「緒言」 手術時手洗いは, 手術などの侵襲的な手技の前に行われる手洗いであり, 最も衛生水準の高い手洗いである. 平素は無害な皮膚常在菌であっても, 無菌である体内組織などに侵入した場合には感染症を起こすことがある. 特に, 易感染患者においては重篤な感染症を招く危険性が高い. そのため, 手術などの侵襲的な手技を行う場合には, 一過性の付着菌だけでなく常在菌も可能な限り減少させ, かつ持続効果のある消毒剤を使用することが望ましい. 手術時手洗いの手技は, 抗菌性スクラブ製剤と滅菌ブラシを使用したスクラビング法から, 抗菌性スクラブ製剤とアルコール手指消毒剤を併用するツーステージ法や, 非抗菌...

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Veröffentlicht in:YAKUGAKU ZASSHI 2014/11/01, Vol.134(11), pp.1219-1225
Hauptverfasser: 田中, 一平, 渡邉, 清司, 中南, 秀将, 我妻, ちひろ, 野口, 雅久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 手術時手洗いは, 手術などの侵襲的な手技の前に行われる手洗いであり, 最も衛生水準の高い手洗いである. 平素は無害な皮膚常在菌であっても, 無菌である体内組織などに侵入した場合には感染症を起こすことがある. 特に, 易感染患者においては重篤な感染症を招く危険性が高い. そのため, 手術などの侵襲的な手技を行う場合には, 一過性の付着菌だけでなく常在菌も可能な限り減少させ, かつ持続効果のある消毒剤を使用することが望ましい. 手術時手洗いの手技は, 抗菌性スクラブ製剤と滅菌ブラシを使用したスクラビング法から, 抗菌性スクラブ製剤とアルコール手指消毒剤を併用するツーステージ法や, 非抗菌性石鹸とアルコール手指消毒剤を用いたラビング法などのブラシを使用しない方法へと移行している. この理由として, ブラシによって皮膚が傷つき, そこに細菌が付着・増殖することで感染のリスクが増大する可能性があるためである.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.14-00165